助動詞は、動詞だけでは表現できないものをそれができるように動詞を助けます。
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「will」は未来をあらわす助動詞ですが、そのことはDay5でふれましたのでここではもう1つの表現「意志未来」についてふれていきます。
意志未来は主語の意図「〜をします」や「〜をするつもりです」をあらわします。
型は<主語+will+動詞の原形>です。これは未来をあらわす文と同じです。
「意志未来」という言葉から難しく思うかもしれませんが、あくまでもその人の意図をあらわすということです。難しく考えないでください。次はその例です。
I will give you my answer tomorrow.(明日返事をします。)
I will call you later.(後で電話をします。)
I will go to bed early tonight.(今夜は早くに寝ます。)
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意志未来の「will」も先のことを話すので、未来をあらわしていることにはかわりはありません。ただその意味に意志が加わるだけです。特に上の3例のように一人称が主語になっているときは意志の意味が強くでています。
また、See you later.「後でまた会いましょう。」は、「I will」が省略されています。
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このように、I will 〜 では意志の意味がでてきます。
ところで、この意志の「will」について進行形にした場合はどうなるでしょうか。
実は、意志未来の進行形はその意志の意味を薄めることができます。そして、これは相手の話について断るときに、丁寧にそれをすることができます。たとえば、次の文をみてください。
Would you like to go out for a drink?(飲みに行きませんか。)
I'll go out for dinner with her tonight.
(今夜は彼女と夕食をしにでかけるから。)
上の場合、相手の誘いに対してI'll 〜 で答えると、自分の意志を直接伝えることになるので、強い意味で相手の誘いを断ることになってしまいます。これに対して意志未来に進行形を使うと次のようになります。
I'll be going out for dinner with her tonight.
(今夜は彼女と夕食をしにでかけることになっているから。)
上の場合は、I'll be going 〜 というように意志未来が進行形になっているために、その意志の意味が薄れて「夕食に出かける」が「夕食に出かけることになっている」という意味になっています。
これは、自分の意志だけではなく、他のことからもそうしなければならないという意味も含みますので、進行形のない意志未来のような直接的な意味を相手に与えずに丁寧に断ることができるようになります。
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「will」の疑問は「〜をしますか」と相手の意図をたずねることになります。そこから、「〜をしませんか」と相手にものを勧めたり、「〜をしてくれませんか」と相手にものを頼んだりすることができるようになります。けれども、直接的にたずねることになるので少々あつかましく相手に響くことにもなります。
Will you come to the party?(あなたはパーティーに来ますか。)(意図)
Will you have some more?(もう少しいかがですか。)(勧め)
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「Won't you」を使うと、親しみのこもった表現になります。
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Will you do me a favor?(お願いがあるのですが。)(依頼)
Will you open the window?(窓をあけてくれませんか。)(依頼)
Will you show me the way?(道を教えてもらえませんか。)(依頼)
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意図をはっきりとしたい場合は「Are you going to 〜 ?」を使います。
また「Will」は丁寧ではありませんが「Would」にすると丁寧になります。それは過去形の「would」を使うことによって現在形の「will」を使うよりも直接的な表現をさけることができるからです。
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「would」は「will」の過去形です。
・<過去の推量>
「〜だったろう」と過去の推量をあらわします。これは「will」の過去形としての意味になります。
He would be 60 years old when he died.
(彼が死んだときは60歳になっていただろう。)
・<現在の推量>
現在のことをあらわす推量ですが弱い意味の推量になります。
That would be nice.(それはいいね。)
・<過去の頑固な意図>
過去の時点の頑固な意図「どうしても〜をした(しなかった)」をあらわします。
The door wouldn't open.(そのドアはどうしても開かなかった。)
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<現在の推量>と<過去の頑固な意図>は軽く見ておくだけで構いません。Day3の「6」でふれた過去の習慣の他にも、仮定法や時制の一致などで使われますが、仮定法と時制の一致については後ほどふれていきます。
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「shall」は普通、一人称にしか使われません。もしもそれ以外で使うと文語調になります。また単純に未来をあらわす場合は「I shall」が使われていましたが、最近は人称に関係なく「will」がよく使われています。そこでここでは「shall」を疑問文で使って「私がしましょうか」と相手へ提案する表現についてふれていきます。
型は<Shall+Iまたはwe+動詞の原形>です。
Shall I help you?(手伝いましょうか。)
Shall I read to you ?(あなたに読んで聞かせましょうか。)
答え方は、Yes, please.やNo, thank you.などがあります。
Shall we make it Monday?(それは月曜日にしましょうか。)
Shall we go to the movies?(映画を見に行きませんか。)
Shall we go home?(帰りましょうか。)
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「Shall we 〜 ?」は、「Let's+動詞」と同じ意味で会話では使われます。また「shall」を契約文書で使うと「〜をすべき」という義務をあらわします。
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「should」は「shall」の過去形です。「〜をしたほうがいいですよ」や「〜をするべきです」というように「義務」や「当然のこと」をあらわします。「助言」の意味で使われることが多いですが、形は過去形でも話していることは現在の時点です。
型は<主語+should+動詞の原形>で、否定形は「should not (shouldn't)」です。
It was a good movie. You should see it.
(それはいい映画でしたよ。見たほうがいいですよ。)
You should apologize to her for your behavior.
(彼女にあなたの行動について謝ったほうがいい。)
[apologize = 謝る<apologize+to人+for事>、behavior = 態度;行動]
You should see a doctor.(医者にみてもらったほうがいいですよ。)
[see(consult) a doctor = 医者にみてもらう]
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「should」は「〜をするはずだ」や「たぶん〜だろう」と「推量」をあらわすこともできます。確信度は次でふれる「may」よりも強いですが次回のDay6でふれる「must」よりは弱いです。
また、このように形は過去形でも助動詞は現在のことをあらわすことも多いです。
She is coming by car. She should arrive in twenty minutes.
(彼女は車で来ます。20分で到着するはずです。)
According to the weather forecast, it should rain today.
(天気予報によれば今日は雨が降るはずだ。)
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「should」を否定形で使うと「〜をしないほうがいいですよ」となります。
You shouldn't stay at home all day long.
(一日中家にいてはだめですよ。)
[all day long = 一日中]
She shouldn't speak so loudly.
(彼女はあんな大きな声で話さないほうがいい。)
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「ought to」も「should」と同じように「〜をしたほうがいい」という助言の意味で使うことができます。型は<主語+ought to+動詞の原形>です。けれども「should」のほうがよく使われます。
It was a good movie. You ought to see it.
(それはいい映画でしたよ。見たほうがいいですよ。)
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「may」には「〜かもしれない」というように推量や「〜をしてもよい」というように許可の意味があります。型は<主語+may+動詞の原形>です。否定形は「may not」です。
・<推量の「may」>
I may go to the movies tomorrow.(明日映画を見に行くかもしれません。)
It may rain tomorrow.(明日は雨になるかもしれない。)
He may be wrong.(彼が間違っているかもしれない。)
She may not come to the party.(彼女はパーティーに来ないかもしれない。)
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推量の確信度は「should」や「will」、「must」よりも低いです。可能性の低さや自信のなさが意味の中に含まれます。
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・<許可の「may」>
You may go now.(もう帰っていいよ。)
You may do as you like here.(ここでは好きなようにしていいですよ。)
You may not stay here.(ここにとどまってはいけません。)
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この許可の「may」には目上の人が目下の人に許可を与えるという権威的な印象があります。したがって会話では「can」がよく使われています。この「can」の「許可」の意味についてはDay7でふれていきます。
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「may」には許可の意味がありますが疑問文で相手に許可を求めることができます。そうすると、「〜をしてもよろしいですか」という意味になります。型は<May I+動詞の原形>です。
また、<Can I+動詞の原形>も許可を求めるのに使うことができますが「May」のほうが相手を尊重する丁寧な言い方になります。それは上でふれたように「may」には権威的印象があるからで、その「may」をあえて疑問文で使うことによって相手を目上と位置づける効果があるからです。
けれども堅苦しい言い方になるので、やはり「Can」のほうがよく使われています。この「Can」については次回のDay7でふれていきます。
May I come in?(中に入ってもいいですか。)
May I smoke?(タバコを吸ってもいいですか。)
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「May I 〜 ?」と「Shall I 〜 ?」には、次のような違いがあります。
「May I 〜 ?」 → 相手に「許可」を求めます。
「Shall I 〜 ?」 → 相手に「提案」をします。
「May I 〜 ?」に対する答えとしてYes, you may.は「5」でふれたとおり権威的な印象を与えますのでYes, you can.のほうがよく使われます。
また「may」を使って祈願をあらわすことがあります。
型は<May+主語+動詞の原形>です。けれども文語的です。
May the new year bring you happiness!
(新年が良い年でありますように。)
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「might」は「may」の過去形です。「may」と同じ推量や許可の意味がありますが推量の場合はより実現の可能性が低いことをあらわし、許可の場合は控え目な表現になります。(過去形ですがあらわすのは現在のことです。)
しかし推量の意味以外にはあまり使われません。
She might be in London by now.
(彼女はもうロンドンに着いているかもしれない。)(推量)
He might take you for a girl.
(彼はあなたを女の子と間違うかもしれない。)(推量)
[take A for B = AをBだと思う]
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「might」の推量は「may」よりも実現の可能性が低くなりますので「(ひょっとして)〜かもしれない」という意味が含まれます。ただ最近は「may」と「might」の間にはあまり差がないようです。
また「may」は許可に、「might」は推量に使う傾向があります。
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今日のレッスンはこれで終わりです。 お疲れ様でした。 |
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