0.3. 法助動詞の主な意味
現在時制(*4) の形式において、法助動詞の主な意味と「主観」、「客観」については次のようになる。
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時制(tense)とは、動詞が示す時間関係のことである。英語には現在時制、過去時制の2つがある。(未来時制については異論があるが、一般的には認められていない。このことについては3.2.予測のところの註釈でも述べている。)現在時制と過去時制は、いわば現在形と過去形とも呼ばれている。だが、一般的には「時制」が用いられる。
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1. can(客観性)
a. 能力(客観的意味)
b. 許可(客観的意味)
c. 可能性(客観性-主観的意味)
2. may(主観性)
a. 許可(主観性-客観的意味)
b. 可能性(主観的意味)
3. will(主観性)
a. 意志(主観性-客観的意味)
b. 予測(主観的意味)
4. shall(主観性)
a. 意志・義務(主観性-客観的意味)
b. 予測(主観的意味)
5. must(主観性)
a. 義務(主観性-客観的意味)
b. 必然性(主観的意味)
6. have to(客観性)
a. 義務(客観的意味)
b. 必然性(客観性-主観的意味)
7. ought to(客観性)
a. 義務(客観的意味)
b. 可能性(客観性-主観的意味)
8. need(客観性)
a. 必要(客観的意味)
9. dare(客観性)
a. 勇気がある(客観的意味)
法助動詞はcanとmayが表す意味の「許可」と「可能性」のように双方が類似する意味を持つことがあるが、can自体が「客観性」、may自体が「主観性」をおびるために、異なる意味を含むことになる。そこで、双方が同じ意味を持っていても話し手の心境から使いわけが生じるのだが、このことは「義務」や「必然性」の意味を表すmust、have to、ought toにも言える。また、ought toはshouldとも類似するところがある。
willとshallについては、双方とも「主観性」を持つが用いられるのはwillのほうが多い。いずれにせよ、これらの法助動詞については、次章から詳細に述べていく。
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