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this、that、these、thoseの4つは代名詞ですが、「指示代名詞」として用いられます。
「指示」という言葉のとおり、物事について示す用法です。
通常 this は「これは」という意味で用いられ、 that は「あれは」という意味で用いられます。この意味のとおり thisは「話し手にとって距離的に近いもの」を指示することになり、 that は「話し手にとって距離的に遠いもの」を指示することになります。
そしてこの「距離的」というのは、空間的または時間的、そして心理的な中で、話し手が「遠い」や「近い」を感じる場合です。
したがって「実際の距離」とは異なり、話し手の感覚的なことで this または that の用いられ方が決まります。
また、 this と that は単数を示しますが、複数を示す場合はそれぞれの複数形である theseと thoseを用います。
そして this や that は代名詞であることから、文中では前に出てきた語句の繰り返しを避けるために用いられます。語句に限らず、文の一部を示すためにも用いられます。
ただ this や that には、このような代名詞の基本的用法の他に、独立的に示す用法があります。
ここからは独立的に示す用法について解説をします。
この「独立的に示す」とは、たとえば話し手が指で指示しながら発話をするようなイメージです。現実に存在する物事を直接的に指すという意味です。
このように直接的に物事を指すことができる代名詞は、 this と that 、そしてこれらの複数形である these と those の4つだけです。
a. This is my house.(これは私の家です。)
b. That is my house.(あれは私の家です。)
a の this と b の that は、文中においては前に出てきた語句を示しているとすることができますが、ここでは直接的に示している場合の例になります。
このとき話し手は、実際に家を指さして a または b の発話をしているイメージになります。
c. This is a good hotel.(これはみごとなホテルです。)
d. This hotel is good.(このホテルはみごとです。)
e. These are the wrong size.(これらはサイズが違っています。)
上の例も同様です。
c のthis は hotel を実際に指差ししているかもしれませんが、地図などを指さしているかもしれません。
d の this は同様に指差しをしているイメージですが、 hotel を限定する形容詞として用いられています。
e の these も直接的に指差しをしているところですが、複数の物事を示すために this の複数形である these を用いています。
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