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otherには代名詞や形容詞の用法がありますが、ここでは代名詞としての用法について主に解説をしています。
代名詞のotherは、「他のもの」や「他の人」という意味です。
これは漠然とした「他のもの」や「他の人」という意味になります。
特定がされると定冠詞のtheをつけてthe otherにします。
この「特定される」とは、たとえば「2つあるうちの他の1つ」というように、2つのものから1つを選んだ場合の残りの1つを意味します。
このとき話し手は、残りが1つであることをすでに知っていることになります。
a. One is for her and the other is for him.
(1つは彼女の、もう1つは彼のものです。)
このことを図で説明すると次のようになります。
2つあるうちの最初に選択したのが彼女のもので、すでに知られている残り1つが彼のものという意味になります。
次も同様の例になります。
b. He has two cars. One is an SUV and the other is a sports car.
(彼は車を2台持っています。1台はSUVでもう一台はスポーツカーです。)
また、otherの複数形はothersになります。
othersは漠然とした「他のもの」や「他の人たち」という意味です。
特定されるとthe othersになります。特定される「残りの2つ以上のもの」を意味します。
この場合も話し手は、残りのものについてすでに知っていることになります。
c. Be kind to others.
(他人に親切にするようにしなさい。)
上のcの例でothersは不特定の人たちを意味しています。
d. One is for her and the others are for him.
(1つは彼女の、残りは彼のものです。)
上のdの例では、複数のものがあるうち、1つは彼女のもので、残り複数の既知のものは彼のものという意味になります。このことを図にすると次のようになります。
次も同様の例になります。
e. We drank some cans of beer. I drank two cans of beer, and he drank the others.
(私たちは缶ビールを何缶か飲みました。私は2缶飲み、残りは彼が飲みました。)
それから、最初に選択をするのが1つではなくて、複数の場合はsomeを用いることができます。
そして特定される全ての残りについては、the othersを用います。
f. Some of the boys were late, but the others were in time for the match.
(何人かの少年達は遅れたけれども、他の少年達は試合に間に合いました。)
このことを図にすると次のようになります。
これらの基本事項をまとめると次のようになります。
(1)other (漠然とした他のもの、他の人)
(2)others (漠然とした他のもの、他の人たち)
(3)the other (既知のもう一方)
(4)the others (既知の残りすべて)
※otherにthanが続いたother thanは、「~以外」という意味になります。これは副詞の用法になります。
I have read books other than this book.
(この本以外の本を読みました。)
※otherは名詞の前に置いて使うことができます。これは形容詞としての用法になります。
Do you have any other questions?(他に質問はありませんか。)
The other boys are out now.
(今、他の少年達はみんな外出しています。)
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