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 叙述用法にしか使われない形容詞について

 形容詞は名詞を修飾するために用いられます。
 その用法には、限定用法と叙述用法の2つの用法があります。
 このうち形容詞の限定用法とは、基本的に名詞の前に置いてその名詞を修飾することをいいます。
 また形容詞の叙述用法とは、文の中で補語の役割をします。
 このことについては形容詞の基本の中でも解説をしています。
 形容詞には限定用法と叙述用法の、どちらにも用いることができる形容詞がありますが、どちらかいっぽうにしか用いることができない形容詞もあります。
 ここでは叙述用法にしか用いることができない形容詞について解説をしています。

 形容詞による限定用法と叙述用法の意味の違いは、限定用法が修飾する名詞の役割や数量、区別、強調などをします。
 叙述用法は、物事の状態、人の心理状態、感情などをあらわしますが、これらは一時的な意味であることが多いです。
 また叙述用法の形容詞は、その文の中では補語にあたります。
 そしてこの叙述用法で用いられる動詞ですが、主にbe動詞になります。そのほかにはbecome、get、seem、などが用いられます。
 次は叙述用法にしか用いられない形容詞の例です。

 1.alone(1人で)
 2.alive(生きている)
 3.afraid(恐れて)
 4.asleep(眠って)
 5.ashamed(恥ずかしい)
 6.aware(気づいて)
 7.awake(目が覚めて)

 このように叙述用法にしか用いられない形容詞の多くは、接頭辞として「a」がついている語、また語源が異なりますが同じく「a」がついている語が多いことが特徴になります。たとえばaloneについては、loneに接頭辞のaがついた形容詞です。
 これらの形容詞は意味上、状態をあらわすことから限定用法には用いることが向かない形容詞です。
 次は上の形容詞を用いた例文です。

 a. She was alone in the room.
  (彼女は部屋に一人でいました。)
 b. He feels alone.
  (彼は孤独を感じています。)
 c. The fish is alive.
  (その魚は生きています。)
 d. He is afraid of flying.
  (彼は飛行機に乗るのが怖いです。)
 e. The baby is asleep.
  (その赤ちゃんは寝ています。)
 f. She was ashamed of her mistake.
  (彼女は自分のミスを恥じていました。)
 g. Are you aware of the rules?
  (あなたはそのルールを理解していますか。)
 h. I was awake all night.
  (私は一晩中起きていました。)

 aからhまでは叙述用法にしか用いられない形容詞による文例です。
 このような形容詞は、名詞を限定して修飾することができないことから、たとえば上のaのaloneについては次のようにすることができません。

 i. ? He likes alone dinner.

 iの例のように、aloneで名詞であるdinnerを限定用法として修飾することができません。この例については次のように書き換えることはできます。

 j. He likes to eat dinner alone.
  (彼はひとりで夕食を食べるのが好きです。)

 jはaloneを文の補語として後ろに置いています。文型でいうところのS+V+O+Cの型で、このCにあたります。これも叙述用法です。


※叙述用法にしか用いられない形容詞も、副詞が加わり「副詞+形容詞」の形にすると、多くは限定用法でも用いることができるようになります。


 次は接頭辞などのaがつかない形容詞で、多くは叙述用法のみにしか用いられない形容詞です。

 8.well(健康/元気)
 9.worth(価値がある)
 10.ill(病気)

 上の例は接頭辞などのaがありませんが、叙述用法で用いられる形容詞の例です。
 これらの形容詞は限定用法で用いられないというわけでもありませんが、叙述用法で用いることが多い形容詞です。

 k. My grandmother is well.
  (私の祖母は元気でいます。)
 l. This movie is worth the money.
  (この映画はお金を払う価値があります。)
 m. She fell ill last night.
  (彼女は昨夜病気になりました。)

 kのwellは形容詞として「健康」や「元気」の意味があります。副詞として用いるときの「よく」や「うまく」という意味ではありません。
 lですが、形容詞worthは名詞the moneyの前に置かれていることから限定用法にも見えますが、このthe moneyは名詞ですがworthに伴って置かれている名詞で、worthにより限定されているわけではありません。
 これを言い換えるならば、the moneyは形容詞worthの目的語的な名詞句になります。
 したがってworth the moneyとすることはできますが、the worth moneyにすることはできません。
 l. worth the money
 n. ? the worth money
 mのillは「病気」という意味において、叙述用法で用いられます。illには「悪い」という意味がありますが、その場合は限定用法で用いられます。


※上のmで用いられているillは「病気」の意味ですが、類似する語ではsickがあります。
 このsickは叙述用法と限定用法で用いることができます。
 o. She got sick.
  (彼女は病気になりました。)
 p. They took care of a sick child at home.
  (彼らは家で病気の子供の世話をしました。)



※叙述用法にしか用いられない形容詞があるように、限定用法にしか用いられない形容詞もあります。それはたとえばonly「唯一の」やentire「全体の」などです。










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