|
関係代名詞には制限用法と非制限用法の2つの用法があります。
先行詞の内容を説明して制限をする(明確にする)用法を制限用法といいます。
先行詞の内容に追加的に説明を加える用法を非制限用法といいます。
この「英文法の解説」のページの中で解説をしている関係代名詞は、基本的に制限用法について解説をしています。
英文法の解説ページの関係代名詞では、who、whose、whom、which、thatについて解説をしていますが、これらは制限用法としての解説です。(thatは非制限用法としては用いられません)。
非制限用法は一般的に文語に用いられます。文章の中では、関係代名詞の前に「,(コンマ)」を置きます。
口語では「,」のところが休止になりますが、口語では非制限用法が普通用いられないことから代わりに、andやbecauseなどの接続詞を用いたりすることになります。
※関係代名詞のwhoとその語形変化であるwhose、whom、そしてwhichを非制限用法として用いることができます。
thatは制限用法のみで、非制限用法としては用いられません。
また先行詞が目的格の場合、制限用法ではその関係代名詞を省略することができましたが、非制限用法では省略をすることができません。
この場合(先行詞が目的格の場合)の関係代名詞はwhomとwhichになります。
John got married to Mary, whom I hadn't met before.
(ジョンはメアリーと結婚したが、私は彼女に会ったことはなかった。)
関係代名詞の制限用法についてですが、たとえばI know the woman. は、「私はその女性を知っています。」という意味の例になります。
この例はたとえば複数の女性がその場にいる中では、どの女性なのかがはっきりしません。
そこで次の例のように関係代名詞を用いてその女性を限定することができます。
a. I know the woman who is playing the violin.
(私はバイオリンを弾いている女性を知っています。)
上のようにI know the woman.だけでは「私はその女性を知っています。」という意味でしたが、who is playing the violinは先行詞であるthe womanの説明をしてその女性について限定をしています。
このように、ある先行詞を明確にするために説明をして限定することを、制限用法といいます。
ところで、先行詞を説明して限定するのではなく、先行詞に追加的に説明を加える用法を非制限用法といいます。
また、非制限用法は文語的で、文章中では関係代名詞の前に「,」を置きます。
たとえば次の文を比較してください。
b. He has daughters who are university students.
c. He has daughters, who are university students.
aは制限用法の例で、「彼には大学生の娘達がいます。」という意味の例です。
who are university studentsは先行詞であるdaughtersの説明をしている関係詞節です。ここで注意が必要なのは彼には大学生以外の娘がいる可能性があることです。
この関係詞節は先行詞daughtersを制限しているので、もしも彼に5人の娘達がいて、そのうちの3人が大学生ならばその3人のことしかあらわしていないことになります。
それに対してbは非制限用法の例です。この「,」を加えたwho are university studentsは、先行詞のdaughtersを制限せずに、追加として説明を加えています。
これは「彼には娘がいて、その娘たち全員が大学生です。」という意味が含まれるようになります。
非制限用法は説明を加えるというところから、andやbut、becauseなどの意味を表すことになります。
d. She has a sister, who often writes to her.
(彼女には妹がいて、よく彼女に手紙を書きます。)
e. We like the teacher, who is friendly.
(私たちはその先生が好きです、なぜなら親切だからです。)
dの例ではwhoはand sheの意味を含みます。
eの例ではwhoはbecauseの意味を含みます。
dとeの例をそれぞれ書き換えると次のようにすることができます。
f. She has a sister and she often writes to her.
g. We like the teacher because he/she is friendly.
※上のcの例を口語的に書き換える場合は次のようにすることができます。
He has daughters. All of them are university students.
※関係代名詞whichの非制限用法では、文や文の一部の内容を先行詞にすることもできます。
このことについてはwhichの非制限用法で解説をしています。
|