|
関係代名詞には制限用法と非制限用法の2つの用法があります。制限用法についてはwho、whose、whom、which、thatの各ページで解説をしています。
非制限用法については制限用法と非制限用法で解説をしていますが、関係代名詞whichの非制限用法では、さらに語句や節、文の内容を先行詞とする用法があります。ここではその用法について解説をしています。
関係代名詞whichの非制限用法も、先行詞の説明をして限定しているわけではなく、その先行詞に説明を追加しています。
そしてwhichの前には文語では「,(カンマ)」を置き、口語では休止を置くことになります。
次は非制限用法のwhichが、語句を先行詞としている例です。
a. I borrowed her book, which is difficult for me.
(私は彼女の本を借りましたが、それは私にとって難しいです。)
b. The jewel, which I gave to her, is her favorite.
(私があげた宝石は彼女のお気に入りです。)
aのwhichの先行詞はher bookですが、関係詞節であるwhich is difficult for meは、この先行詞に説明を追加しています。
bのwhichの先行詞はThe jewelですが、この関係詞節であるwhich I gave to herも、先行詞The jewelのことについて説明を追加しています。
非制限用法のwhichは上のように接続詞のandやbut、またはbecauseなどの意味になります。
ところで非制限用法のwhichは、上の例のように語句を先行詞にするほかに、語句の「内容」、節の「内容」、文の「内容」を先行詞とする用法があります。
次は節の内容を先行詞としている例です。
c. He wrote her a letter, which she didn't answer.
(彼は彼女に手紙を書きましたが、彼女は返事を出しませんでした。)
上のcでは、関係詞節はwhich she didn't answerですが、whichの先行詞はHe wrote her a letterになります。
関係詞節which she didn't answerは、「彼女は返事を出しませんでした」という意味になりますが、これは「彼が手紙を書いたこと」に対しての追加説明になります。
次もcと同様に節の内容を先行詞としている例です。
d. He quit the job, which was not surprising.
(彼は仕事を辞めたが、驚くことではなかった。)
e. John said he could swim, which was a lie.
(ジョンは泳げると言ったが、それはうそでした。)
dの関係詞節はwhich was not surprisingですが、これは「驚くことではなかった」という意味になります。これはHe quit the job「彼が仕事を辞めた」ことにたいしての追加説明になります。
eも関係詞節はwhich was a lieですが、この意味である「それはうそでした」が指すことは、ジョンが自分は泳げると言ったことにたいしてですから、John said he could swimの内容が先行詞になります。
節の内容を先行詞としている例は上のとおりです。
さて文の内容を先行詞としている例についてですが、次がその例になります。
f. Which reminds me; I need to fill up the car.
(それで思い出しました、私は車に給油をする必要があります。)
上のfのwhichは、前にあるであろう文の内容を指しています。Which reminds meはその前の文に追加説明をしていることになりますが、whichは独立的に用いられている例です。
Which reminds meは、前の文の内容に関連して思い出したときに使うことができますが、たとえばfの例については、次のように考えることができます。
g. I need to wash the car, which reminds me, I need to fill up the car.
(私は車を洗う必要がありますが、それで思い出しました、車に給油をする必要があります。)
上のgの例で関係詞節はwhich reminds meですが、whichの先行詞はI need to wash the carの節全体の内容になります。
このように先行詞が節全体の内容になる場合は、関係詞節を独立させて、その文の文頭に置く場合があります。
このときfのような例になります。
※先行詞が目的格の場合において、制限用法ではその関係代名詞を省略することができましたが、非制限用法ではその関係代名詞を省略することができません。
|