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代名詞は前に出ている語句や文の内容を受けて、それらの反復を避けるために使われるのが基本です。
oneには数詞として「1つ」という意味があります。そしてone「1」、tow「2」、three「3」のように基数として用いられるのが良く知られます。
このoneですが、代名詞としての用法もあります。
ここでは代名詞としてのoneの用法について解説をしています。
1.代名詞のoneの用法
代名詞としてのoneも、代名詞の基本的用法として前に出ている語句を受けますが、その語句は不特定の可算名詞になります。
この「不特定の可算名詞」ですが、「不特定」とは、特定されない語句ということで「同類のもの」という意味になります。
また「可算名詞」については、oneが可算名詞のためです。したがって通常は不加算名詞の代用はしません。
a. He is a soccer player, and his son wants to be one, too.
(彼はサッカー選手で、彼の息子もサッカー選手になりたいと思っています。)
b. He has a camera, and I want to buy one.
(彼はカメラを持っていて、私はカメラを買いたいのです。)
c. Which one do you like, the blue one or the white one?
(あなたはどちらが好きですか、青いのですかそれとも白いのですか。)
d. Do you have a smaller one?
(もう少し小さいのがありませんか。)
aのoneが受けているのはa soccer playerです。そしてbのoneが受けているのはa cameraです。そしてそれらの意味は同類のsoccer playerであり、同類のcameraということになります。
代名詞のoneは修飾語をともなって使われることもあります。cのthe blue oneとthe white oneがそれになります。
またoneが代名詞として受ける語句は、不特定の可算名詞になりますが、aやanの冠詞も、修飾語を伴う場合は一緒に使われることがあります。
dのa smaller oneがそれになります。
複数形名詞の代名詞としてoneを用いる場合は、oneの複数形であるonesを用います。
e. I prefer these ones better.
(私はこれらのほうがより好きです。)
※代名詞のoneは可算名詞に用いられますので、次のように不加算名詞に用いることはできません。
f. I prefer red wine to white.
(私は白ワインよりも赤ワインのほうが好きです。)
g. *I prefer red wine to white one.
wineは不加算名詞ですので、gのようにwhite oneとすると不自然になります。
2.代名詞のoneと代名詞のit
代名詞のoneは前に出ている語句を受けますが、その受ける語句は不特定の可算名詞です。ここで同じ代名詞であるitと用法を比較してみます。
代名詞のoneが受ける不特定の可算名詞とは「同類のもの」のことです。
これに対してitが受けるのは特定の名詞です。特定の名詞とは、具体的にその対象物が話し手によってわかっているもの(限定されているもの)です。
b. He has a camera, and I want to buy one.
(彼はカメラを持っていて、私はカメラを買いたいのです。)
h. He has a camera, and he bought it on the internet.
(彼はカメラを持っていて、それをネット通販で買いました。)
bの例は前に出ているのと同じ例です。このoneが受けているのはa cameraのことですが、「彼」が持っているカメラではなく、彼が持っているのと「同種のカメラ」の意味になります。
hの例で、itが受けているのは同じa cameraのことですが、これは「彼」が持っているカメラそのもののことです。
つまり意味的にbのoneはa cameraですが、hのitはthe cameraの意味になります。
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