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形容詞の基本的用法には、2つの用法があります。
1つは主に名詞の前に置いて、その名詞を修飾する「限定用法」です。
もう1つは、be動詞などの動詞の後ろに置かれて名詞を修飾する「叙述用法」です。
1.形容詞による限定用法
形容詞の用法で限定用法とは、主に名詞の前に置いて、その名詞を修飾することです。
たとえば、①a flower(花)という名詞の前に、②beautiful(美しい)という形容詞を置くと③a beautiful flower(美しい花)となります。(このときaなどの冠詞は形容詞の前に置きます。)
①名詞 a flower(花)
②形容詞 beautiful(美しい)
③形容詞+名詞
a beautiful flower(美しい花)
a. This is a beautiful flower.
(これは美しい花です。)
b. His house has a beautiful garden.
(彼の家には美しい庭があります。)
形容詞の限定用法において、形容詞を置く位置は名詞の前が多いです。
ただ修飾語句が後ろに続く場合や、nothingのように-thingで終わる語、-bodyで終わる語などを伴う場合は、その形容詞が名詞の後ろに置かれます。
c. These are useful tools.
(これらは便利な道具です。)
d. These are tools useful for repairing my bike.
(これらは私のバイクを修理するのに便利な道具です。)
e. I have something useful.
(私は便利なものを持っています。)
上のcの形容詞usefulは名詞であるtoolsの前に置いて、その名詞を修飾しています。
dのusefulは名詞であるtoolsの後ろに置いていますが、for repairing my bikeをともなっています。
eはsomethingと一緒に用いられていますが、usefulはsomethingの後ろに置かれます。
※dの例でみられる文例で、代表的な例は関係詞が含まれていると考えられる例です。
dのThese are tools useful for repairing my bike.ですが、これは次のように考えることができます。
These are tools which are useful for repairing my bike.
※enoughを形容詞として用いる場合は、名詞の前にも名詞の後ろにも置くことができます。
ただ数量に対するニュアンスが異なる場合があります。
2.形容詞による叙述用法
This is a beautiful flower. は This flower is beautiful.「この花は美しいです。」に書き換えることができます。
このbeautifulは動詞の後において、主語であるflowerについて説明するための補語として用いられています。
このように動詞の後ろに形容詞を置く用法を叙述用法といいます。これも形容詞の基本的な使い方です。
この場合、形容詞は修飾する名詞の後ろに置くことになるので、形容詞はその名詞を間接的に修飾することになります。
次はその例です。
f. The weather was fine yesterday.
(昨日の天気はよかったです。)
g. My brother is poor at soccer.
(私の弟はサッカーが下手です。)
[poor = 下手な;貧しい]
fの形容詞fineは主語であるThe weatherを修飾しています。
またgの形容詞poorは主語であるMy brotherを修飾しています。
※英語における補語とは、動詞や目的語だけでは意味が通じない文に「補う語」のことをいいます。補語を必要とする代表的な動詞には、be動詞があります。)
※形容詞の限定用法と叙述用法で、その形容詞に含まれる基本的な意味には違いがあります。
限定用法の形容詞は、名詞の前に置いて直接に名詞を修飾することから、恒常的な意味が含まれます。
叙述用法の形容詞は、動詞の後ろに置いて間接的に名詞を修飾することから、一時的な意味を含むことが多いです。
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