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人を主語にした動詞の後ろに、人の感情や状態を意味する形容詞を用いることで、その人の感情や状態をあらわすことができます。
このことについては人を主語にする感情表現の形容詞で解説しています。
これを形容詞の視点から解説しなおすと、人の感情や状態を意味する形容詞を用いるので、主語に置く名詞は「人」になります、という説明になります。
interestedは「興味を持っている」という意味の形容詞です。これを用いて、次のような文にすることができます。
a. I am interested in English.
(私は英語に興味があります。)
aでは形容詞interestedがIについて修飾し、Iの感情をあらわしています。
ところでinterestedと関連してinterestingという形容詞もあります。
interestedは「興味を持っている」という人の感情をあらわしますが、そのことから次のような文にするのは不自然になります。
×b. It is interested.
上の場合は不自然な文ですが、次のようにすると自然な文になります。
c. It is interesting.
(それは面白いです。)
d. The movie was interesting.
(その映画は面白かった。)
interestingは人の感情ではなく、「興味深い」や「面白い」という意味を持っています。
このような形容詞としては、bored(退屈な)、tired(疲れる)、excited(うきうきした)などがあります。
たとえばboredも人の感情をあらわす形容詞ですから、次のeのように用いることは自然ですが、fのように用いることは不自然になります。
e. He is bored.
(彼は退屈です。)
×f. He is boring.
fは不自然な文になりますが、この場合も次のようにすると自然な文になります。
g. It is boring.
(それは退屈です。)
これらは人の感情や状況をあらわしている形容詞ですから、人を主語に置くのも自然になります。
次の形容詞は人の感情をあらわす意味から考えて、人を主語に置くことができない、または意味が変わってしまう形容詞の例です。
difficult(難しい)
hard (難しい)
pleasant(楽しい)
possible(可能)
easy(易しい)
important(重要な)
上の形容詞の例で、たとえばdifficultは「難しい」という意味の形容詞ですが、「英語を話すことは私には難しいことです。」という意味の文は、次のどちらになるでしょうか。
×h. I am difficult to speak English.
〇i. It is difficult for me to speak English.
「私には難しい」という意味ではhは不自然な文になります。
iは自然な文になりますが、「私は」のIが難しいという感情を持っていますが、「難しい」とdifficultが指すのは英語を話すことspeak Englishだからです。
I am difficult.にすると、「私は扱いにくいです。」や「私は気難しいです。」という意味になります。
※間違いやすい形容詞の例として、necessaryがあります。
necessaryは「必要な」や「なくてはならない」という意味の形容詞です。
その意味から人を主語にして用いられるように思えますが、実は用いることができない形容詞の例です。
「彼は本を読むことが必要です。」という文は次のようになります。
× j. He is necessary to read books.
○ k. It is necessary for him to read books.
彼にとって必要なことは「本を読むこと」ですので、「必要」のnecessaryが指すのはheではなくて、read booksになります。
そうするとjは不自然な文になります。kは自然な文です。
jのようにHe is necessary.にすると「彼自身が必要である。」という意味になります。本を読むこととは関係がなくなります。
※限定用法(名詞修飾)と叙述用法(文の補語)で形容詞の意味が変わる場合があります。
たとえば形容詞のpresentには、限定用法で「現在の」という意味になりますが、叙述用法では「出席して」のように異なる意味になります。
l. My present address is Hakodate.
(私の現住所は函館です。)
m. He was present at the meeting.
(彼はその会議に出席しました。)
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