英語学習の参考説明 |
一 覧 |
H-4. 否定について |
b. because節に及ぶ否定について |
thinkやbelieve、expect、imagineなどの動詞において、これらに続くthat節を否定する場合と主節を否定する場合とでは、それらの意味にさほど差は感じられない。たとえば次の例では、thinkを用いている。 (1) I don't think it is expensive. 上の例は2通りの解釈が可能である。それは次のようになる。 (2) a. 私はそれは高いとは思わない。 b. 私はそれは高くはないと思う。 上のようにnotが主節ではなく、従属節の内容を否定する意味も派生するのだが、このことの詳細はthink、suppose、believeなどの動詞と否定の関係についてを参照。 このようにnotが主節と従属節を否定する解釈が生じるのは、上のような動詞に限ったことではない。たとえば接続詞であるbecauseにもそれが生じる。ここでは、このbecauseについて述べていく。 (3) She married him because he was rich. (彼がお金持ちだったので、彼女は彼と結婚した。) 上では彼女が彼と結婚し、その理由をbecause節で表している。ここで上を否定文にした場合は、次のようになる。 (4) She didn't marry him because he was rich. 上においては、実は2つの解釈が可能になる。それはnotが主節の内容を否定する場合と、従属節の内容を否定する場合である。このとき日本語訳では、次の2つのように表される。 (5) a. 彼が金持ちだったので、彼女は彼と結婚しなかった。 b. 彼女が彼と結婚したのは、彼がお金持ちだったからではない。 (5a)の日本語訳は、英語において主節、(5b)は従属節の内容を否定したことになる。(5a)は、彼女は結婚しなかったのだが、その理由をbecause節が表している。(5b)は、彼女は結婚したのだが、その理由はbecause節の内容ではなく、他に結婚した理由があることを含んでいる。 このようにnotの後のbecause節は意味が曖昧になる場合があるのだが、文脈上ではbecauseの前に「,(コンマ)」をつけると、否定がbecause節まで及ばない。この場合(5a)の意味だけが生じることになる。(会話では休止など。) またbecause節を文頭に持ってきても同様である。 (6) Because he was rich she didn't marry him. (彼はお金持ちだったので、彼女は彼と結婚しなかった。) 上において、becauseよりも後ろに置かれるnotは、前のbecauseまで否定することができない。 参照 think、suppose、believeなどの動詞と否定の関係について 接続詞(基礎から英語学習Day46) |
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