英語学習の参考説明 |
一 覧 |
T-1. 倒置について |
a. 倒置の種類と倒置が生じる理由 |
ここでは倒置の種類と、それが生じる理由について説明する。 倒置(inversion)とは、語順が変わることを言う。英語の語順は「主語+(助)動詞」が通常だが、これが「(助)動詞+主語」になる。このことは、通常の語順を変えることになるので、そこには話し手の驚きなどの感情が含まれることになる。文法書等で「倒置が用いられるのは、語句を強調するため」と説明されることがあるが、それはそのためである。 たとえば、当たり前のように用いている疑問文は、実は倒置が生じている。Are you? やDoes she? などは、主語と動詞が倒置した結果である。この場合も話し手の何らかの感情、たとえば聞きたいという思いなどが含まれることになる。疑問文に見られる倒置は、平叙文との相違を明確にするためと言える。 しかしながら、疑問文に見られる倒置は、文法上必然的に生じるものである。このように義務的な倒置には、他にもifの省略による倒置などがある。 また義務的ではないが、比較構文や直話法の伝達部にも生じることがある。 (1) "Do you know him?" said John. (「彼を知っていますか」とジョンは言った。) 上は伝達部において倒置が生じている。伝達部が文頭に置かれるときは、倒置が生じないが、引用部の後に置かれるときは生じることがある。 ただしこのような倒置が生じるのは、人称代名詞以外の名詞の場合である。人称代名詞のときは倒置が生じない。 (2) "Yes," she answered. (「はい」と彼女は答えた。) また、強調のために副詞語句が文頭に置かれる場合の倒置も、義務的に倒置をしなければならないということではない。ただ多いというだけである。 (3) a. Here comes the teacher. (ほら先生が来たぞ。) b. There goes the train. (ほら列車が行くぞ。) c. Down came the rain. (雨が降ってきた。) このように倒置が生じる副詞語句には、場所や方向を表すものが多い。また、人称代名詞が用いられるときは、倒置は生じない。 しかし否定語句が文頭に置かれると、倒置は義務的である。この場合、たとえ人称代名詞が用いられたとしても、倒置は生じる。 (4) a. Little did I dream that I would marry her. (彼女と結婚しようなどと夢にも思わなかった。) b. Never have I seen such a terrible disaster. (私はそのようなひどい災害を一度も見たことがありません。) 上のように、否定語句強調のための倒置は、(3)とは異なり文語調である。 参照 倒置について(その発展的学習 8) |
Copyright(c) 英語喫茶 All Rights Reserved. サイト内の文章・図の無断掲載を禁じます |