英語の時間的感覚2 |
一 覧 |
6.2.4. 動作動詞の一時性 動作動詞の一時性とは、動詞に進行形を用いると、その動詞が表す動作の継続時間が一時的になるという意味である。進行形についての時間表示は先にも述べた通りであるが、ここでもう一度示してみることにする。 (17) 上は現在進行形の時間表示であるが、これまで述べてきたように時間表示上にある時間的枠はある出来事についての継続時間を表している。しかし、このことを言い換えると、出来事について時間的な制限を加えていることにもなる。 これについては、習慣を表す用法で比較するとわかりやすい。習慣とはある期間の動作継続を意味するが、その期間とは通常長期間を期待させることである。しかし、この習慣用法に進行形を用いると、その継続は一時的なこととして捉えられる。 (18) a. She reads novels. (彼女は小説を読みます。) b. She is reading novels these days. (彼女は近ごろは小説を読んでいます。) (18a)は現在時制を用いている例であり、彼女は小説を読むという日常の習慣を表している。 (18b)は進行形を用いた例であるが、表される意味は「一時的な習慣」になる。 (19) a. She goes to work on her bicycle. (彼女は自転車で仕事に行く。) b. She is going to work on her bicycle. (彼女は自転車で仕事に行っています。) (19a)は、自転車で仕事へ行くという日常の習慣である。 しかし、(19b)は一時的な習慣である。通勤に自転車を使うことが一時的であり、普段は車やバスなどを利用していることが考えられる。一時的に自転車を使うのは、その車が故障してしまったことや、バスはストライキなどが生じてしまったことが考えられる。このことは、進行形が動作そのものに重点を置いているためである。(*29)
また、次のような例もある。これまでとは少し異なる。 (20) a. When I was a kid, I always played baseball with my friends. (子供の頃はよく友達と野球をして遊んだ。) b. When I was a kid, I was always playing baseball with my friends. (子供の頃はよく友達と野球をして遊んでいた。) (20a)は過去時制を用いているが、表していることは過去においての習慣である。 (20b)は進行形を用いているが、これまでとは異なり一時性の意味はない。それはalwaysを用いているからである。そこで、この2例については意味上の差は少ないことになるが、(20b)ではわざわざ進行形を用いていることから、動作に重点を置いて習慣を表していることになる。 動作に着目する進行形とalwaysなどの継続を表す副詞を共に用いることで、話し手のいらだちを表すこともあるのだが、このことについては6.4.2.の進行形による話し手のいらだち のところで述べていく。 |
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