3.1. 現在完了形の主な3つの用法
現在完了形が表す出来事は過去に生じた出来事だが、このことは過去形も同様である。しかし、現在完了形とは話し手の心境上に過去形のような現在との切り離しは生じさせずに、出来事との関係をつなげている。このことを図にすると次のようになる。
(1)
赤い丸は出来事が生じたことを表しているが、これだけなら過去形が持つ意味と変わらない。しかし、現在完了形は上のように青い軸も設定される。この軸は話し手の心境を表すが、出来事が明らかに過去に生じたにも関わらず、話し手の心境は現在と関係していることを表している。
そして、現在完了形も過去形や現在形と同様に多くの例があるが、これらを用法上分類すると、次のように主に3つにわけることができる。
(2) 完了・結果
(3) 継続
(4) 経験
以上が主な3つの用法だが、たとえ用法が3つあろうとも、現在完了形が持つ本質的な意味はここでも1つだけと言える。それは「過去の出来事を現在から捉える。」ことである。
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