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we といえば、人称代名詞のことである。I の複数形とも言われるが、I が複数存在するという意味にはならない。一人称である話し手は I で表されるが、それに聞き手が加わるとweが用いられる。つまりI + you が we ということになる。
(1)
Shall we go and have a drink?
上の例では聞き手もweに含まれるが、we には聞き手が含まれない場合もある。つまり I + youではなく、I + 聞き手以外の someone ということになる。このとき話し手と聞き手が含まれる we を「包括のwe (inclusive we)」と言い、聞き手が含まれない we を「除外のwe (exclusive we)」と言う。
英語においては、これら2つの区別なく we を用いるが、他の言語においては区別して用いるところもある。英語の we の内容を明確にしたい場合は、次のように同格語句を用いたり、または関係詞節が用いられる。
(2)
a. We young people
(私たち若者は)
b. We Japanese
(私たち日本人は)
以上は包括と除外のweについてだが、we には特別な用法がある。たとえば「君主のwe (royal we)」、「主筆のwe (editorial we)」、「親心のwe (paternal we)」などである。ここではこれら3つについて説明する。
まず君主のwe について、これは君主や身分の高い者が自分自身を指して用いる we である。公式の場において述べる場合に、I の代わりに用いる。しかし we を用いながらも、再帰代名詞を用いるときは、ourselves ではなく、ourself が用いられる。(だが、この用法は現在において、あまり用いられていないようである。)
主筆のwe とは、編集者が編集部員を代表して述べる場合、または読者を含めて述べる場合に用いられる。読者との親しみや謙遜を含めた用い方である。
(3)
As we have reported…
(報じていたように、)
親心のwe とは、親が子に、または医者が患者に、you の代わりとして用いる we である。元気づけたり、または忠告したりなど、聞き手との一体感を表し、思いやりの気持ちが込められる。(時に、見下した感じになる場合もある。)
(4)
a. It's time we went to bed.
(もう寝る時間ですよ。)(親が子に向かって)
b. How are we feeling today?
(今日の気分はどう?)(医者が患者に向かって)
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