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補語(Complement)とは、主語または目的語の意味を、文字通り「補う」ものである。そしてこの補語がない場合は、通常文として成立しない。
英語には5文型があるが、それを次に示す。
(1)
a. S + V (第1文型)
b. S + V + C (第2文型)
c. S + V + O (第3文型)
d. S + V + O + O (第4文型)
e. S + V + O + C (第5文型)
(S=主語(Subject)、V=動詞(Verb)、O=目的語(Object)、C=補語(Complement))
(1)の中で、補語(C)のある第2文型と第5文型は補語を必要とする文型である。そしてこの補語のない場合には、文として成り立たない。
では、補語とは、具体的にどのようなものだろうか。
補語としては、主に形容詞と名詞がある。そしてこのとき用いられる動詞は、普通be動詞が多い。
(2)
a. Her sister was famous.
(彼女の姉は有名だった。)
b. John is honest.
(ジョンは正直だ。)
c. He became a teacher.
(彼は先生になった。)
d. The house is small.
(その家は狭いです。)
(2)において、下線の部分が補語である。この場合、補語がないと不自然な文となることがわかる。
(3)
a. *Her sister was.
b. *John is.
c. *He became.
d. *The house is.
またbe動詞以外では(2c)のようにbecomeを用いた例もある。また、次のような例もある。
(4)
a. What made you so angry?
(どうしてそんなに怒ったのですか。)
b. We elected the man mayor.
(私たちはその人を市長に選んだ。)
c. I found him a kind man.
(私は彼が親切な人だとわかった。)
上においては、下線の部分が補語となるが、これらは第5文型に相当する。このとき補語は、目的語の性質について説明をしているのがわかる。それに対して(2)は、第2文型に相当するが、このときの補語は主語について説明をしている。
このとき(2)のように、主語の性質を述べる補語を「主格補語」、目的語の性質を述べる補語を「目的格補語」という。
以上が補語についてだが、文を意味の上から補い成立させるために必要な語である。また(1)の文型においてOとCで示しているように、補語はたとえ名詞であっても、目的語とは異なるものである。その理由の1つとして、(4b)と(4c)の補語は名詞であるが、受動態にする場合に、主語として置き換えることができない。
参照
英語の文のつくり(英文法の発展的学習 1)
文型について(英語学習の豆知識)
自動詞と他動詞及び完全と不完全について(英語学習の豆知識)
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