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2つの否定が用いられるとき、それを「二重否定」という。ここではその基本的な意味について説明をする。
まず、次は二重否定の例である。
(1)
a. There is no rule but has some exceptions.
(例外のない規則はない。)
b. There was no one who did not speak ill of her.
(彼女のことを悪く言わない人はなかった。)
上の例の日本語訳を見てわかるように、二重否定は結局、肯定の意味を表している。したがって、(1a)は規則には例外があることを意味し、(1b)は誰もが彼女の悪口を言っていたことを意味している。
次も同様である。
(2)
a. It is not unknown to me.
(私はそれをまんざら知らないというわけではない。)
b. He was not unhappy.
(彼は不幸というわけではなかった。)
しかし、二重否定の意味は、単に肯定文で表される意味とは異なる。それは日本語でも同様となるが、二重否定のほうが「ためらい」を表し、意味的に「弱く」なるのである。
メモ
二重否定はためらいがちな肯定を表すが、逆にそこから強い印象を表す場合がある。
また、標準的ではない英語では、否定を重ねて否定を強調する場合もある。この場合、肯定にはならない。
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