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過去を表す副詞には多くの種類があるが、その中でもagoとbeforeについて、その用い方を比較する。
(1)
a. She left for Australia a week ago.
(彼女は1週間前にオーストラリアに出発しました。)
b. Did you ever visit there before?
(あなたは以前にそこを訪れたことがありますか。)
agoの場合、時を表す副詞を前に置き、過去時制と共に用いられる。beforeの場合は、単独で用いることが可能である。上の例の場合、どちらも現在を基準とした過去であり、(1a)では「今より一週間前」、(1b)では「今より以前」の意味を持つ。beforeは、時点が漠然としているが、現在を基準としている点ではagoと同様となっている。ただし、時点の漠然性ゆえに、beforeは現在完了形とも共起できるが、agoはできない。
(2)
I have seen her before.
(私は以前彼女に会ったことがある。)
上の場合、具体的な時点を示す場合は、agoと過去時制を用いる。
(3)
I saw her two years ago.
(私は2年前に彼女に会いました。)
しかしbeforeには現在だけではなく、過去を基準とする場合もある。このとき過去完了形と共に用いられる。
(4)
I had seen her before.
(私は以前彼女に会ったことがあった。)
上の場合、ある過去を基準にして、それよりも以前に彼女に会ったことがあることを表している。
さらにbeforeにはagoと同様に、時点を示す語句を置くことができる。この場合、beforeは過去を基準とすることになり、過去完了形と共に用いられる。
(5)
I had seen her two years before.
(私はその2年前に彼女に会ったことがあった。)
上の場合、ある過去よりもさらに2年前に彼女に会ったことを表している。
以上を整理すると、次のようになる。
(6)
(時点の語句+ago) +過去時制= 今から~前(現在を基準)
(単独のbefore) +過去時制・現在完了形= 今より以前(現在を基準)
+過去完了= それより以前(過去を基準)
(時点の語句+before) +過去完了形= それより~前(過去を基準)
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