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関係詞については、1つの関係詞節が1つの先行詞を修飾することが基本だが、2つの関係詞節が重複して1つの先行詞を修飾する場合がある。それを二重限定(double restriction)と言うが、ここではこのことについて、関係詞節の修飾関係を説明する。
まず、二重限定の例を次に示す。
(1)
a. London is the city that I've visited which I like very much.
(ロンドンは私が訪れたことのあるうちで私がとても気に入っている町です。)
b. Man is the only creature that is a mammal that uses language.
(人間はほ乳類であり、言語を使う唯一の動物です。)
(1)において、それぞれ2つの関係詞節があり、そしてそれぞれ同一の先行詞を修飾している。このときの2つの関係詞の修飾関係だが、それは日本語にも現れているように、個々に1つの先行詞を修飾しているわけではない。
1つ目の関係詞節は先行詞を修飾しているが、2つ目の先行詞はその全体を修飾している。それは「先行詞+1つ目の関係詞節」を修飾するということである。
次の例も同様である。
(2)
Is there anything (that) you want that you have not?
(あなたが欲しいもので、もっていないものが何かありますか。)
(2)の例で、1つ目の関係詞節の先行詞はanythingである。しかし2つ目の関係詞節の先行詞はanything (that) you want全体である。
以上が二重限定の修飾関係だが、次のような例は二重限定に見えそうでも、実はそうではない。
(3)
You have sent me the very things I wanted, and which I should have continued to want, had not you sent them.
(あなたは、私が欲しいと思っていて、もし送ってくれていなければ欲しいと思い続けていたであろうそのものを送ってくれました。)
上の場合、関係詞節が等位接続詞によって結ばれているにすぎない。このとき先行詞は、関係詞節から個々に修飾されているだけである。
参照
whoの関係代名詞(基礎からの英語学習Day76)
whichの関係代名詞(基礎からの英語学習Day78)
thatとwhatの関係代名詞(基礎からの英語学習Day79)
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