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仮定法とは、「事実とは反することを述べるときに用いる」とされる。しかし、それはどういう場面なのかは、わかりづらいことがある。ここでは仮定法について、基本的な意味を説明する。
まず、次の例を比較する。
(1)
a. If I am not ill, I can go to see the soccer game.
b. If I were not ill, I could go to see the soccer game.
(1a)は条件文、(1b)は仮定法の文である。形式上の違いは過去時制を用いているかどうかである。
さて、これらに日本語訳を付すると次のようになる。
(2)
a. If I am not ill, I can go to see the soccer game.
(私は病気でないのなら、そのサッカーの試合を見に行くことができます。)
b. If I were not ill, I could go to see the soccer game.
(私は病気でないのなら、そのサッカーの試合を見に行くことができるのに。)
(2a)と(2b)について、日本語訳で表される微妙なニュアンスがわかるだろうか。(2a)は「病気でないなら見に行く」というように、これは単なる条件を表していることになる。しかし(2b)では「もし病気でなければ、見に行けるのに」というように、話し手の想像を表している。
次の例も同様である。
(3)
If I were you, I would quit the job.
(私があなたなら、その仕事をやめるだろうに。)
(3)において、話し手がyouであることはありえない。つまり事実とは反対のことを述べていることになる。そして「もしも私があなただったら」のように、これは話し手の想像を表していることになる。
ここまで説明をして、もうだいぶ理解ができていることと思うが、つまり仮定法とは「想像的」とおさえるとわかりやすい。それに対して単なる条件文は、直接的で味気ないとも言える。
そしてこの条件文と仮定法を区別するために、仮定法では過去時制が用いられることになる。
参照
「if」(もしも)(基礎からの英語学習Day56)
もしも~なら、~だろう(仮定法過去)(基礎からの英語学習Day74)
仮定法について(英語の時間的感覚Ⅱ)
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