5.2. 感情のshould
「感情」以外の名称でも呼ばれるが、このshouldは話し手の主観的な感情を表す。主に話し手の意見や感情を述べる主節の後に続く、that節において用いられる。(*20)
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感情のshouldとはJespersen(1933a)の呼び方による。
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(4)
a. It is lucky that the weather should be so fine.
(天気がこんなにいいなんて良かった。)
b. I am surprised that she should do that.
(彼女がそんなことをするなんてとても驚きだ。)
感情を表すので、主節ではlucky、surprised(非人称主語ではsurprising)の他、delighted、fortunate、strange、odd、pleasedなどの、驚きや意外を表す形容詞が用いられる。そして主に「It is 形容詞 that」の構文が用いられ、shouldはthat節において用いられる。
また、次のようにwhy節またはhow節でも用いられ、驚きやいらだちを表すこともある。
(5)
Why should she have done that?
(どうして彼女はそんなことをしてしまったのだ。)
上の例は、いわば修辞疑問文である。また「感情のshould」は用法上、単に客観的な事実を述べるときには用いない。そこで(4a)の例でshouldを用いない場合は次のような意味の差も生じる。
(6)
a. It is lucky that the weather should be so fine.
(天気がこんなにいいなんて幸いだ。)
b. It is lucky that the weather is so fine.
(天気がいいのは幸いだ。)
(6b)では、話し手が客観的な立場から眺めることになるが、これは単に事実を述べているだけの例となる。
ところで、「命令、必要、提案」を表す動詞または形容詞、名詞を用いた主節に続くthat節でもshouldが用いられる。
(7)
a. The immigration officer demanded that I should produce the passport.
(入国管理官は私にパスポートの提示を求めた。)
b. She is very anxious that her son should be released.
(彼女は息子が釈放されることを望んでいる。)
c. Was it necessary that my uncle should be informed?
(おじに知らせることが必要だったのか。)
上で用いられる動詞には他にもadvise、decide、desire、demand、command、insist、order、recommend、request、require、urgeなどがあり、また形容詞にはdesirable、essential、important、necessary、urgent、名詞にはinsistence、recommendationなど、動詞を名詞化した語がある。
しかし、上はイギリス英語においての用法である。アメリカ英語ではshouldを用いずに仮定法現在を用いることになる。その場合、上の例ではshouldを省略した形となる。
(このshouldについてはThe sense of time in EnglishⅡでもふれています。)
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