形容詞3回目は enough などの使い方について書いていきます。
enough にはその使い方によっておく位置が違ってきたりしますので注意がいります。
また会話でも使われることのあるものです。
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enough には「十分な」や「不足のない」といった意味があります。
会話の中でもよく使われるものの1つです。
注意することは名詞や形容詞によって enough のおく位置が変わってくるということと、それによって形容詞として使われる場合と副詞として使われる場合があることです。
enough の使われるパターンをここでは主なものとして3つあげて説明を書いていきます。
そのパターンとは、
1.enough が名詞の前におかれる場合
2.enough が形容詞の後ろにおかれる場合
3.enough が単独でおかれる場合
の3つです。
まずは1から説明を書いていきます。
1.<enough が名詞の前におかれる場合>
enough で名詞を修飾しようとする場合は普通、名詞の前におかれます。
次に例文を書いてみます。
She doesn't have enough money.
(彼女は十分なお金を持っていなかった)
この文では名詞である money の前に enough がおかれて enough money(十分なお金)という意味を作っています。
このように enough は普通、名詞の前において修飾します。
これは何かを買おうとしていても「彼女は十分なお金を持っていなかった」というような意味合いの文です。
I don't have enough eggs.
(十分な卵がありません)
可算名詞(この場合は egg)の前に enough がおかれる場合は、その可算名詞が必ず複数形になることに注意してください。
2.<enough が形容詞の後ろにおかれる場合>
enough が形容詞と結びつく場合は形容詞の後ろにおかれます。
それでは次に例文を書いてみます。
He wanted to drive a car.
(彼は車を運転したかった)
But he was not old enough.
(でも彼はまだ運転できる年齢ではなかった)
この文では形容詞である old の後ろに enough がおかれて old enough(十分な年齢)という意味を作っています。
もう1つ例文を書いてみます。
Does she become good enough at English ?
(彼女は十分に英語が上達しましたか)
3.<enough が単独でおかれる場合>
enough が名詞・形容詞の前後に関係なく単独でおかれる場合の使い方です。
これは enough が名詞として使われたりする場合です。
例文を書いてみます。
Would you like tea ?
(紅茶はいかがですか)
No, thank you. I have had enough.
(いいえ、ありがとう。私はもう十分です)
それではここでちょっとまとめてみます。
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年齢の言い方について
年齢を言うのにたとえば「彼女は10歳です。」という文を作る場合は次のような文になります。
She is ten years old.
(彼女は10歳です)
この場合は ten の数詞の後の year が複数形になって years と書かれます。
もしかしたらこのような言い方をしている人が多いかもしれません。
ですが年齢をいう場合にはもう1つ別の言い方もあることを覚えておいてください。
次にその例を上の文を使って書いてみます。
She is a ten-year-old girl.
(彼女は10歳の少女です)
この文では year が複数形になっていません。
そして代わりにそれぞれの語が「−」(ハイフン)で結ばれています。
これは数詞と名詞が「−」で結ばれて形容詞的な語になったものです。
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の enough で学習した1と2の enough の使い方を思い出してください。
これはその enough に to不定詞をつけてさらに原因などを説明する場合の使い方です。
to をつけた1と2のそれぞれの形と意味について次に書いてみます。
<1の場合>
文の形は<主語+動詞+enough+名詞+to 〜>になります。
意味は「〜するのに十分な〜がある」となります。
<2の場合>
文の形は<主語+動詞+形容詞+enough+to 〜>になります。
意味は「〜するほどの〜がある」となります。
それぞれについて例文を書きながら説明していきます。
1.<主語+動詞+enough+名詞+to 〜>の場合について
名詞の前に enough がおかれる文に to不定詞がついた形です。
(to不定詞とは to の後に動詞の原形がおかれることです。)
次に例文を1つ書いてみます。
I don't have enough money to buy a car.
(私は車を買うのに十分なお金がありません)
この文は to の前の文だけだと「私は十分なお金がありません」という意味になりますが、それに to 以下の文をつけて何をするためのお金という意味で to buy a car をおいて「私は車を買うのに十分なお金がありません」という意味の文を作っています。
もう1つ例文を書いてみます。
They don't have enough sense to realize their mistakes.
(彼らには誤りを悟るだけの十分な理解力がない)
2.<主語+動詞+形容詞+enough+to 〜>の場合について
形容詞の後に enough がおかれる文に to不定詞がついた形になります。
次に例文を書いてみます。
He is rich enough to buy it.
(彼はそれを買えるほどの金持ちだ)
この文は「(十分に)金持ちだ」という意味の to不定詞の前の文に to 以下の to buy it「それを買うのに」という意味の文がついた形になります。
もう1つ例文を書いてみます。
She is wise enough not to do such a thing.
(彼女にはそのようなことをしないだけの十分な分別がある)
[such = そのような]
ここで少しまとめてみます。
また上のような to不定詞を使う方法の他に、for を使う方法もあります。
次にそれについて説明を書いてみます。
たとえば enough の使い方で説明した1の「名詞の前に enough をおく使い方」で書いた例文を使ってみると次のようになります。
I don't have enough money to buy a car.
(私は車を買うのに十分なお金がありません)
この文を for を使った文に書き換えてみます。
I don't have enough money for a car.
このように to不定詞の代わりに for を使って書き換えることもできます。
この場合の文として<for+名詞>の形が to不定詞の代わりに使われたことになります。
他にも例文を書いてみます。
Do you have enough time for breakfast ?
(朝食をとるのに十分な時間がありますか)
A used PC is good enough for me.
(中古パソコンで私には十分です)
この文は enough のところで学習した2の「形容詞の後に enough がおかれる使い方」で説明した文に for を使った形になります。
つまり<形容詞+enough+to 〜>の to不定詞の代わりに for を使った場合の文になります。
この場合の例文をもう1つ書いてみます。
Is it large enough for you ?
(その大きさであなたには十分ですか)
ところで、次の文はどう訳すでしょうか?
She was kind enough to show me the way to the station.
enough には普通「〜するのに十分な」や「〜するほど〜だ」というような意味がありますが、その意味をそのまま使ってこの文を日本語にしようとするとなかなか訳詞づらいものです。
この文は「主語+be動詞+kind+enough+to 〜」の形をとる文で、この文を訳す場合は次のように訳す方がいいです。
「彼女は親切にも駅までの道を教えてくれた」
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such について
such には「そのような〜」という意味があります。
また代名詞や形容詞として使われます。
代名詞については後ほど説明しますが、ここでは such の形容詞的な使い方について少し書いてみます。
形容詞の such は名詞の前におかれます。
ただ普通の形容詞と違うところは a や an が such の後におかれることです。
つまり a や an は such と名詞の間におかれることになります。
さらに名詞にもう1つ他の形容詞がおかれる場合は a や an は such とその形容詞の間におかれます。
そのような場合の文の形は次のようになります。
<such+(a/an)+(形容詞)+名詞>
語順は上のようになりますが例としては次のようなものがあります。
such a beautiful flower
(そのような美しい花)
また名詞が複数の場合の例も書いてみます。
such houses
(そのような家々)
some や any, all などがさらにこのような such の文におかれるような場合は such はそれらの後におかれることに注意してください。
その場合の例としては「all such things」などがあります。
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all, most, no は「その量や数」をあらわします。
意味はそれぞれ次のようになります。
@ all は「全ての」という意味です。
A most は「たいていの」という意味があります。
また代名詞的に most を使うと「ほとんどの」という意味にもなります。
B no は「少しもない」という否定的な意味になります。
それぞれについて例文を書いてみます。
★<@ all の場合>
All people are not happy.
(全ての人々が幸福とは限りません)
この文のように all を名詞の前において「全ての」という意味で使います。
★<A most の場合>
Most people think so.
(たいていの人々はそういう風に考えます)
Most of the girls like movies.
(ほとんどの女の子は映画が好きです)
これは代名詞的な使い方になります。
代名詞として使う場合は most の後に of をつけることに注意してください。
そして、of の後が普通の名詞のときはその名詞の前に「the」をつけます。
また of の後が代名詞のときは「the」をつけません。
代名詞についての詳しい説明は後ほど書いていくつもりです。
代名詞を of の後に使った例文は次のようになります。
Most of them like movies.
(彼らのほとんどは映画が好きです)
またこの場合の動詞の形は of の後にくる名詞の数に一致させます。
つまり、of の後の名詞が単数なら単数として、複数なら複数として動詞を一致させます。
Most of the girls の場合では、of の後が girls と複数なので動詞は like となるわけです(「s」 が後ろにつきません)。
★<no の場合>
He has no sisters.
(彼には姉妹が1人もいません)
no を使うと「1人もない」や「少しもない」となります。
つまり「まったくない」というように全てを否定した形になります。
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全体否定と部分否定、代名詞について
全体否定と部分否定、そして代名詞の用語としての説明を書いてみます。
★<全体否定について>
全体否定とは、「まったくない」というように全てを否定することをいいます。
ちょうど上で取り上げた no の使い方で書いた例文のようになります。
He has no sisters.
(彼には姉妹が1人もいません)
★<部分否定について>
部分否定とは、「すべてがそうとはかぎらない」というように一部分を否定することをいいます。
ちょうど most の使い方で書いた例文のようになります。
Most people think so.
(たいていの人々はそういう風に考えます)
この文のように「たいていの人々」がそういう風に考えるわけですから、「すべての人々」がそういう風に考えるわけではありません。
このような意味のことを部分否定といいます。
★<代名詞について>
今までの文中でたびたびでてきた「代名詞」という言葉ですが、そのことについて説明を書いていきます。
ですが代名詞については新たにテーマを作って詳しく書いていくつもりですのでここでは簡単に説明しておきます。
代名詞を簡単にいうと、I や you または she のことです。
他には this や that なども代名詞になります。
代名詞はこの他にも多くありますし、新しくテーマを作って書いていく必要のあるものです。
そして代名詞の使い方の1つとしては、文の中に一度でてきた名前を繰り返さないように she などを使うということがあります。
これは、たとえば文の中に Ann という人が最初に一度出てきたら、次に彼女を指す文がある場合に Ann の代わりに she を使うといった場合です。
また文の内容を指す代名詞の使い方もあります。
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