英語喫茶~英語・英文法・英会話~


実習のやり方は班によって違いますが、ここではC班の場合を例にとっていきます。
小学校の授業時間は45分間です。
教える生徒は6年生が対象です。
45分間を3つのパートにわけてそれぞれを1名ずつ3名で担当して実習を行います。
3つのパートの時間配分は均等ではなくて、そのときのテーマとパートによって時間が決まります。

3つのパートとは、「導入」、「メイン」、「応用」です。
導入は復習などをし、メインはその日のテーマを詳しく指導します。
そして応用はメインでやることをひろげて指導します。

またパートが3つなので、1回の実習では3名が主に活動をします。
1グループは6名なので、あとの3名は教室の後ろや横で手助けや見学をします。
そして次回の実習ではその3名が代わって実習を行い、今回実習を行った3名はオブザーバーになります。
実習はこれを繰り返しますが、グループや班の構成、時間の配分などについて詳しく知りたい方はこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う実習って?」から「-1.実習をする場合の班構成-」)




小学校の実習は全4回ですが、4回のテーマは次のようになっています。

第1日目 スポーツに関係したこと
第2日目 スポーツで「Do you like ?」・「I like .」の表現
第3日目 国旗と国名、地図上の国、曜日について
第4日目 前回までの総合学習「ウォークラリー」

この4回のテーマは、班単位の事前の打ち合わせの中で決めたものですので、班によってはテーマが違ってきます。

また、小学校での実習日程は次のようになっています。

・8月27日
・9月 2日
・9月 7日
・9月 9日






ここからは実際の実習の内容についてふれていきます。


第1日目 スポーツに関係したこと


①導入

小学生も6年生になると結構クールになっていたりします。
幼稚園児とはそこは全く違い、実習をやっていても反応が少ないから、「導入」を担当する人は特に始めのパートだけにより少ない反応の中で苦労しやすいところです。

「導入」として教えたことは、まずは序数についてでした。
序数とは「first」や「second」などのことです。
「one」や「two」なら小学生でもよく知っていると思いますが序数となるとそうはいかないと思います。
それを導入では「first」から「tenth」まで教えました。



教えるときは事前に作っていたカードの教材を使いました。
始めは「first」から「tenth」まで順番に1枚ずつ発音をしながらその都度生徒にもリピートをさせていきました。

これを繰り返してから今度はランダムにカードを取り出して生徒に発音させていきました。
ある程度繰り返したら、プリントを配ります。
そのプリントには先ほど学習した序数が「first」から「tenth」まで印刷してあります。
それから序数を使った例文がその下にあり、今度はそれを使って練習をさせました。

例文の1つを抜粋します。
「Kosuke Kitajima was first.」
(北島康介は1位でした。)

次に「~年生」の言い方も練習させました。
これもプリントに印刷されていますが、その例文を抜粋します。

「What grade are you in ?」
(何年生ですか?)

「I’m in the sixth grade.」
(6年生です)

これを何度か繰り返して練習させました。




②メイン

スポーツ名を英語で書いた場合のつづりを、ゲームをしながら覚えさせていこうということをやりました。
つづりの学習なので生徒は英語を嫌いになりやすいところだと思いますが、そこをゲーム感覚で楽しめるようにしました。

まずはクラスで4つの班を作ってもらいました。
クラスの生徒数は20人ちょっとなので1つの班は5~6人となります。

そしてスポーツのカードを見せて英語で何というかをあてさせました。
次にスポーツのカードを2枚ずつ黒板に貼っていきます。
それからそれぞれのつづりを1つ1つのアルファベットがカードになったものを下に並べていきます。





アルファベットのカードは結構大きいので、黒板に並べるのは2つぶんが限界でした。
そこで2つの班どうしで順番にゲームをしてもらいました。

ゲームの方法は、最初に班の中でじゃんけんをしてもらい1人の代表を決めてもらいます。
そして2班ずつ代表者は前に出てきてもらいます。
代表者2人には黒板とは逆の方向を合図があるまで向いてもらいます。
その間にアルファベットの順番をばらばらにします。
ばらばらにしたら、「よーい、スタート」の合図で2人には黒板のほうに走ってもらいアルファベットのカードをもとの順番に戻してもらいます。
そしてうまく戻せるまでのタイムを競ってもらうというものです。
これを繰り返して、「一番」が多い班を優勝とする班対抗のゲームをしました。



(アルファベットのカードをばらばらにした場合)



スポーツの種類とアルファベットのカードのセットは全部で10を用意していました。
4回を終えた時点(同じ班に2回ずつ)でちょうど4つの班に1人ずつの「一番」がでてきました。
そこで、生徒の「決勝戦だ」という言葉もあったのであと2回(班に1回ずつ)行うことになりました。
それで2つの班が抜け出しましたが、ここは2班が優勝ということにしました。




③応用

最初に、「Do you like sport ?」とその答えの
「Yes, I do.」
「No, I don’t.」
の簡単な会話の練習をしました。

それから、「What sport do you like ?」とその答えの
「I like □ ?」の練習をしました。





練習は□の中に単語を入れるだけで文を作ることができるというように説明をしました。
そしてクラスの数名に直接「What sport do you like ?」と聞いて英語で答えてもらうということもしました。

□には sport の他に food や TV program もあてはめて練習をさせました。

それから、スポーツを使ったビンゴゲームをしました。
ビンゴゲームのやり方についてはこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う講義って?」から「-「5」の⑦ビンゴゲーム-」)


縦3横3の合計9種類のスポーツのイラストがあるビンゴカードを生徒全員に配ります。
それから2分間と時間を制限して、生徒には教室中を歩いてできるだけ多くのビンゴを作ってもらいます。
質問は練習したばかりの「Do you like □ ?」を使います。
□の中にはビンゴカードに描かれている9つのスポーツから好きなのを1つ選んであてはめます。
そして「Yes, I do.」と相手が答えたら、質問した「□」のスポーツにサインをしてもらいます。

ビンゴを作れた個数は時間の関係もあって1個が最高でしたが、数名が作ることができました。





第2日目 スポーツで「Do you like ?」・「I like .」の表現


①導入

最初に「I’m happy.」や「I’m sleepy.」などの表現の練習をしました。
紙皿の中に楽しそうな表情や眠そうな表情を描いてそれぞれ「これがhappy、これがsleepy」のようにして教えます。
種類は4つで、「happy」、「sleepy」、「sad」、「hungry」です。

それから、一列ずつ紙皿を前で示しながらその紙皿の絵にあった表現(たとえば「I’m happy.」など)を言ってから今度はその列の生徒にリピートをしてもらいました。

次に4種類の表現が1つずつ書いてあるカードを生徒1人に1枚ずつ配ります。
そして今度は隣同士でそのカードに書かれた表現を使って練習をしてもらいました。
隣同士で練習したらカードを交換してまた練習をします。

それからカードを全部回収します。
そして次は2列にそのカードを渡して2列ずつで「パートナー探し」をしてもらいました。
パートナー探しのやり方についてはこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う講義って?」から「-「5」の⑥パートナー探し-」)


生徒はみんな声を出すのを照れているようで、パートナーを見つけるまで叫び続けるということはなく、ちょっと静かなパートナー探しでした。





②メイン

前回の実習で使ったスポーツのカードを使ってそのスポーツ名の発音の練習をしました。
それから「Do you like □ ?」の練習をします。
答え方は最初は「Yes」または「No」だけでさせます。
慣れてきてから「Yes, I do.」または「No, I don’t.」と答えさせていきました。

質問は見学をしている実習生にもしますが、後ろで見ている担任の先生にもしてもらいました。
さらにただ答えるだけではなくて「Yes」で答えるときは、答えるスポーツにあったジェスチャーをしなければなりません。
これには担任の先生もよくのってくれていたので場の雰囲気も盛り上がりました。

何度か繰り返したら、2列ずつ生徒に前のほうに出てきてもらいます。
前で横一列に並んでもらってから、1人ずつ「Do you like □ ?」と聞いて練習をしました。
もちろん「Yes, I do.」で答えるときはジェスチャーをつけなければなりません。
前でジェスチャーをするのは照れるのか「No, I don’t.」で答える子もいたのですが、「No」で答える子は男子に多くて「Yes」で答えるのは圧倒的に女子が多かったです。




③応用

まずは新しいスポーツのカードを数枚見せて、そのスポーツの発音の練習をしました。
それから今まで使っていたスポーツのカードを合わせて一通り発音の練習をしました。
そして合計12枚のスポーツのカードを使って陣取りゲームをしました。

陣取りゲームのやり方についてはこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う講義って?」から「-「5」の④陣取りゲーム-」)


4つのチームを作ってもらってそこからさらに2つにわかれてもらいます。
そしてそれぞれで競ってもらいます。
カードは6枚ずつ2列を床にならべて、同時にゲームをやってもらいました。
(今回の授業では教室から机だけを授業前に廊下にはこんでもらっていました)

より多くの生徒が参加できるように、じゃんけんで負けた子がチームに戻り切らなくても次の子がでていけるようにし、また相手チームに1人が到達してもゲームを終了としないでそのまま続行し相手チームに到達した子の数で優勝を競うように元のルールを変更しました。

じゃんけんは、「ロック、シザーズ、ペーパー、1、2、3」を使うことを決めてそれをゲーム前に練習をしました。
じゃんけんのやり方についてはこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う講義って?」から「-「5」の⑤じゃんけん-」)


英語でするじゃんけんは小学生にはめずらしかったのかとてもうけていました。
それでじゃんけんの練習もちょっと真剣にやっていた子がいました。






第3日目 国旗と国名、地図上の国、曜日について


小学校での実習3日目は2クラスが一緒に体育館に集まってしました。
C班の場合はAグループとBグループがそれぞれ異なるクラスを担当しています。
Aグループは6年1組で、Bグループは6年2組で実習をしていましたが、実習第3日目はその2クラスが一緒になって体育館で実習をすることになりました。

グループの構成についてはこちらをクリックしてご覧ください。
(「講座で行う実習って?」から「-2.班の中のグループ構成-」)




今回体育館で2クラス合同の実習をすることになったのは、次回の「ウォークラリー実習」の準備をするためでもありました。

体育館に生徒が集まってから、まずは全体で挨拶の練習をしました。
挨拶は「How are you ?」とその答えの練習です。
答えは以前使った紙皿の絵を使いながら「I’m happy.」や「I’m hungry.」などの練習をしました。
質問する相手は実習生や担任の先生などをモデルとしました。

それから生徒1人ずつにカードを引いてもらってそのカードによって3つのグループにわかれてもらいました。



体育館には3つのコーナーが設けられています。
それは「曜日のコーナー」、「国旗・国名のコーナー」、「国名と地図上の場所のコーナー」です。





そして1グループずつそれぞれのコーナーに行ってもらいます。
それぞれのコーナーでは時間制限を設けてそのテーマに沿った学習をしました。
「地図上の場所」なら国名と世界地図上での場所との一致を学習しますし、「曜日」なら1週間の曜日名を英語でいうことを学習します。



「国旗」では国名と国旗の一致を学習しました。
国旗が描かれた10枚のカードを使って国名を発音しながら国旗のカードを出し、その都度生徒にもリピートさせて国名と国旗を一致させるように学習させました。

また時間の余裕をみて国旗のカルタもやりました。
1グループは15名くらいですが、そこからさらに4つにわかれてもらいます。
そして10枚の小さい国旗が描かれたカードを床においてカルタをします。
実習生が国名をいうと同時に生徒にはそれにあった国旗のカードを取ってもらいました。

カルタのようなゲームはやはり小学生にはうけがよく、子供達はみんな夢中で国旗カルタをやっていました。
時々、担任の先生も混じって真剣にやっていました。



時間が過ぎると、グループが入れ替わります。
たとえば、「曜日のコーナー」にいたグループは次に「国旗のコーナー」に移動するといったかたちです。
そうやって45分の時間内に1つのグループが3つのコーナーをまわれるようにします。
1つのグループが1つのコーナーで学習する時間はおよそ7分間です。

そうやって、グループが3つのコーナーすべてをまわったら終了です。
またもとのように集合してから、少し「○×ゲーム」をしながら今日の復習をした後に第3日目の実習は終了しました。






第4日目 前回までの総合学習「ウォークラリー」


小学校での最後の実習は学校全体を使った実習を行いました。
それは5つの英語の学習コーナーを設けて、生徒がその5つのコーナー全部をまわってゴールするという「ウォークラリー」です。

5つのコーナーはただまわるだけではなくて、そこにある問題に答えなければなりません。
そしてその問題に正解することができればそこのコーナーをクリアすることができます。
正解することができなければいつまでもゴールすることができません。

5つのコーナーとは次のようなものです。

①アルファベットのAからZまでで足りない文字を1つみつけるコーナー
②アルファベットのAからZまでを並べ替えて順番を作るコーナー
③国名とその場所、国旗を一致させるコーナー
④スポーツとその英語名を一致させるコーナー
⑤曜日をあてさせるコーナー



この5つのコーナーを体育館と2つの6年生の教室と他にもう1つの教室を使って設置します。体育館には2つのコーナーを設けます。
体育館は1階ですが、3つの教室は3階です。
また本部として図書館を別に使います。そしてここがゴール地点になります。

今まで実習で学習してきたことの総復習を兼ねているので、今回も前回に引き続き2クラスが合同で参加します。
もちろん実習生もA・Bグループが一緒になって活動します。今回も実習生が全員参加です。

生徒には3人で1チームを作ってもらいます。
チーム編成は前回体育館で実習を行ったときにカードを引いてもらって事前に決まっていました。

ウォークラリーが始まる前にはスタンプカードを生徒一人一人に配ります。
このカードにはコーナーごとに5つのシールを貼る欄があって、それぞれのコーナーの問題を解いて正解するとその該当する欄にシールを貼ってもらえるという仕組みになっています。
シールを5つ集めることができたら晴れてゴールの図書館へ行けるというわけです。

また各コーナーではアルファベットが1つ書いてあるカードも渡されます。
これはチームの代表が1人だけもらえるものですが、全部で5枚を集めるとある単語ができるようになっています。
この5つのカードをあつめて、図書館で単語を作ることができなければゴールは認めてもらえないことになっています。

その単語とは「HAPPY」です。



このようなウォークラリーの説明は最初に本部の図書館に生徒が集まったときにされます。
図書館はスタート地点でもあります。

また「How are you ?」の挨拶のこともそこで説明をします。
実は各コーナーで問題を渡される条件に「How are you ?」の質問に答えられたらというのがあるからです。
この質問に答えられない限り各コーナーでは問題を渡されません。

スタンプカードは下のようなものです。





名前とグループ名を書く欄があります。
各コーナーの名前が5つの欄に書かれていますが、その欄には☆印も描かれています。
問題を解いたときに渡されるシールはその☆印のところに貼ってあげます。

ちなみに、スタンプカードの下には「EIGO KATUDOU GOUKAKU SYOUSYO 2004. 9. 9」と書かれています。
このカードはそのまま実習活動の記念として生徒に残ることにもなります。



各コーナーには実習生が2名から3名ついて生徒に対応します。
生徒はすいているコーナーからチャレンジすることができます。
時間はあまりないので、ゆっくり並んでいては時間がたりなくなってしまいます。

こうしてウォークラリーが始まり5つのシールをスタンプカードに貼ってもらって、さらに図書館で5つのアルファベットを並べて「HAPPY」を作ることができたら、ゴールのあかしとしてスタンプカードの裏にサインをしてもらうことができます。

実習を行うそれぞれの班(A・B・C)には2人ずつの担当の先生(その道のスペシャリストです)がついて一緒に実習に行き、実習の場では実際に実習をしている実習生の評価をしますが、サインはそのうちの1人の担当の先生がしました。

実はその先生は外国人の先生なのでサインをするにも何か重みを生徒が感じることができたのでしょう。
サインをもらう生徒も結構楽しそうでした。



各コーナーの問題の内容ですが、1つを例にとってみます。
「①アルファベットのAからZまでで足りない文字を1つみつけるコーナー」ですが、これには次のようなシートを渡して問題を解かせます。





このシートをみてAからZまで順番に読んだ場合に、足りない1文字をみつけるというものです。
シートは3パターンあり、できるだけチームどうしで教え合うことができないようにしています。
ちなみにこのコーナーの問題は5つのコーナーの中で一番やさしいものです。
難易度もコーナーによって色々あります。

図書館ですべてのチームがゴールすると、順位を15位から1位まで発表しました。
そして実習も最終日なので実習生一人一人の挨拶と生徒からの拍手で最後を締めました。












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