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J-1.時制の一致について
a. 時制の一致と節との関係について(時制の一致が生じる場合とは?)
 

 時制の一致とは、主節の動詞が過去時制の場合に、従属節の動詞も過去時制または過去完了形にすることが基本である。したがって、主節の動詞によって従属節の動詞の形態が影響を受けるのだが、このとき主節の動詞が現在時制の場合は、従属節の動詞の時制は自由である。
 節とは、いくつかの語が集まって構成されたもので、簡単に言うと、主語+動詞の型を持っているものである。そして節とは、文を構成するものだが、そうすると文とは、1つ以上の節から成り立っていることになる。

(1)
He said he passed the exam.
(彼は試験に合格したと言った。)

 上の場合、文としては1つだが、節としては2つで構成されている。それは、He saidとhe passed the examである。
 このときhe passed the examは節として、He saidにおける目的語になっていることに注意してほしい、つまりこの節はHe saidの一部となっているのである。このとき別の節を含む節(He said)を主節と言い、主節の一部となっている節(he passed the exam)を従属節と言う。



 さて、時制の一致では主節の動詞の時制に従属節の動詞の時制を一致させることになるが、(1)の例においてもそれが生じている。saidは過去時制であるが、それに一致させて従属節の動詞も過去時制のpassedが用いられている。

 ところで、この例における従属節は、主節における目的語に相当すると述べたが、そこでこの従属節が名詞として用いられているということになる。このときの節を名詞節という。そして時制の一致が生じるのは、このように従属節が名詞節の場合なのである。節としては他に形容詞節と副詞節があるが、これらの場合は時制の一致が生じないのである。(時制の一致が生じる場合もあるが、原則として生じない。)
 次にこれらの節について、簡単に説明する。

(2)
名詞節
 名詞節とは、名詞として扱われる節のことである。ある節の主語、または目的語、補語の位置に置かれる。代表なのは、thatによって導かれる節である。

a. It is doubtful that he meant it.
(彼が本気でそれを言ったとは思われない。)

b. I am afraid you are wrong about that.
(そのことについて、あなたはまちがっていると思います。)


(3)
形容詞節
 形容詞は通常、名詞の前に置いてその名詞を修飾することが多いが、節となった形容詞節は、後に置かれてその名詞を修飾する。つまり関係代名詞や関係副詞が用いられる関係詞節のことである。(特に制限用法の関係詞節)

a. They're the people who live next door.
(彼らは隣に住んでいる人たちです。)

b. The Olympics which were held last year were a success.
(去年開催されたオリンピックは成功だった。)


(4)
副詞節
 副詞節とは、ある節の副詞として扱われる節のことである。これには、afterやbefore、whenなどの時を表す接続詞、またはbecauseなどの理由、ifなどの条件を表す接続詞から始まるものが多い。

a. He arrived after you had left.
(あなたが帰った後に、彼が到着しました。)

b. She ate lunch quickly in the cafeteria because she was hungry.
(彼女は空腹だったのでカフェテリアで急いで昼食を食べた。)
 (例文はジーニアス大英和。(2b)は荒木:1997)

 以上だが、時制の一致を考える必要があるのは、名詞節の場合である。そして特にそれが必然的に生じることが多いのは、間接話法においてである。



参照
時制の一致(基礎から英語学習Day 43)
間接疑問文(名詞節の例として)(基礎から英語学習Day 17)
接続詞2(副詞節の例として)
whoの関係代名詞(形容詞節の例として)
時制の一致(英語の時間的感覚)



引用文献
ジーニアス大英和 大修館
荒木一雄(1997) 『新英文法用例辞典』研究社




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