5.3.1. 現在完了進行形Ⅰ
現在完了形についてはすでに「3.過去の時間的感覚Ⅱ」のところで述べているが、その用法は完了・結果、継続、経験の3つであった。しかし、現在完了進行形が表すのは、そのうちの「継続」だけである。
現在完了形の継続用法と現在完了進行形とは形式が異なっているだけで表すことは同じということになる。
(22) I have studied English very hard for one year.
(私は英語を1年前から一生懸命勉強しています。)
現在完了で継続を表す場合は、上のようにfor句を用いて期間を表すか、またはsinceを用いて表すのが普通である。
ところが、完結的な意味を持つ動作動詞については、for句などの共起はできない。
(23) *I have written a novel for one year.
上は不自然となる。なぜなら、writeは完結的な意味を持っているために、期間を表すfor句との共起には矛盾が生じるからである。このような完結的意味を表す動詞にはwriteの他にreachなどもあるが、これらの動詞を用いて継続を表す場合に現在完了進行形を用いることになる。
(24) I have been writing a novel for one year.
(私は1年前から小説を書いています。)
つまりはそのままで継続を表せない動詞については、時間的幅を持たせる進行形を用いて表さなければならないことになる。また、現在完了進行形は、その形式自体に動作継続の意味があるので、次のようにfor句を取っても継続の意味に変わりはなく文として成立する。
(25) I have been writing a novel.
(私は小説を書いています。)
この現在完了進行形を図にすると、次のように表すことができる。
(26)
上で赤い軸は動作の継続、そして青い軸は話し手の心境を表す。赤い軸はある過去から生じ、それはどこかの過去の時点で途切れることなく現在まで続いている。
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