1.1.2.1. 現在においての状態や性質
この用法は文字通り現在に存在している、ある状態や性質を表す。話し手が見たり感じたりすることを、そのまま表す用法である。
(3)
a. My house stands on the hill.
(私の家は丘の上にあります。)
b. John resembles his father very closely.
(ジョンは彼の父親に本当によく似ています。)
c. This shirt feels really soft.
(このシャツはとても肌触りがいい)
上の例は、いずれも現在に生じていることをそのまま表している。
たとえば(3a)は話し手の家が現在丘の上にあることを表し、(3b)ではジョンが父親に似ていることを現在において話し手が思っている。また、(3c)は話し手が現在において実際に知覚していることを表している。
(4)
a. I'll go to bed now. I feel exhausted.
(私は寝ます。へとへとに疲れました。)
b. Do you smell gas?
(ガス臭くないですか。)
c. The air smells of the sea.
(海のにおいがします。)
(3c)で用いられているfeelは話し手の知覚を表す知覚動詞であるが、(4a)も同様に話し手が疲労していることを表している。また、知覚動詞にはfeelの他に、smellやsee、hearなどがあるが、(4b)と(4c)はsmellを用いた例である。この2例も現在において、話し手がにおいを知覚したことをそのまま表していることになる。
(5)
a. I like English better than any other subject.
(私は英語が他の科目よりも好きです。)
b. I believe that she is kind.
(私は彼女が親切な人だと思います。)
上の例については人の心理状態を表す、心理動詞likeとbelieveを用いている。これらの例についても、現在において話し手が心理的に思っていることをそのまま表している。
たとえば(5a)では話し手が一番好きな科目が英語であることを、現在の思いとして表している。
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