はじめに
「英語の時間的感覚Ⅱ」は、英語に含まれる時間的感覚を感じるために作成されたものである。
たとえば現在完了形は、どのような心境のときに用いるのかや、過去時制との違いなどを、感覚的に身に付けられるように構成している。
英語の時間的感覚Ⅰは、初級者を対象に基本的事項について主に述べているが、ここでは、すでにある程度の英語能力を備えている方を対象にしている。そして、基本的事項に加えてより細部にまでふれている。
時制(tense)と相(aspect)については、Reichenbach(1947)に由来するS、R、Eの3点を参考に、本書ではS、M、Eの3点を時間軸と共に用いて述べていく。Sとはpoint of speech(発話時)、Eとはpoint of the event(出来事時)のことである。そしてRとはpoint of reference(基準時)のことであるが、本書ではこのRを発展的に捉えて、M(point of mind)として用いる。このMの意味については、本書の中で詳細に説明を加えていくが、形式を比較しながら述べていくことで、その意味を徐々に深めていく構成になっている。第5章では、Mの最終的な意味づけをしている。
以上だが、3点と時間軸を用いることで、時制と相については視覚的にも理解ができるように本書は構成されている。
また、仮定法は時制と相の範囲外にあるが、仮定法についても理解を深めるために、本書ではS、M、Eを利用して説明している。
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