|
再帰代名詞には再帰用法と強調用法の2つの用法があります。
再帰用法とは主語と目的語が互いに呼応する場合に、他動詞の後または前置詞の後に置く用法で、このときの再帰代名詞は「~自身を(に)」という意味を表します。
ところで「~自身を(に)」という意味から、主語や目的語、補語を強調させるためにも使われます。この用法を再帰代名詞の強調用法といいます。
ここではこの強調用法について解説をしています。
たとえば I saw it. 「私はそれを見た。」のIに、myselfを続けて I myself saw it. にすると「私自身がそれを見ました。」という意味になります。
このときの再帰代名詞myselfは主語であるIを強調しています。そして発音においても、この強調用法の再帰代名詞に強勢が置かれます。
※強調用法の再帰代名詞は、名詞や代名詞と同格に用いられます。
強調用法の再帰代名詞を置く位置は、口語において、誤解を与えるようでなければ比較的自由です。
したがって、この場合の再帰代名詞はたとえ無くても文としては成立します。
a. I myself saw it.
(私自身がそれを見ました。)
b. I saw it myself.
(私自身がそれを見ました。)
c. I saw it.
(私がそれを見ました。)
d. He himself spoke directly to the President.
(彼は自分で大統領に直接話した。)
上の例でaとbのmyselfは主語のIと同格に用いられ、どちらもその主語を強調しています。
また強調用法の再帰代名詞はたとえそれが無くても文としては成立することから、cのようにmyselfが無くても文が成立します。
dの再帰代名詞も同様で、このhimselfは主語のHeと同格に用いられ、その主語を強調しています。そしてこのhimselfはたとえ無くても、文としては成立します。
次は主語ではなくて目的語を強調した例です。
He likes coffee itself.
(彼はコーヒーそのものが好きです。)
The restaurant itself is old.
(その食堂自体が古いです。)
上の2つの例でもitselfはそれぞれの目的語であるcoffee、restaurantと同格に用いられて、それぞれの目的語を強調しています。
※再帰代名詞で所有を表す語句を強調することはできません。
再帰代名詞で所有を表す語句を強調したい場合は、再帰代名詞の代わりにownを使うことができます。
これは再帰代名詞の所有格に相当します(再帰代名詞には所有格がありません。)
たとえば次の例を見てください。
This is my cellular phone.(これは私の携帯電話です。)
上の例にownを加えると、次のようになります。
This is my own cellular phone.
(これは私自身の携帯電話です。)
※再帰代名詞には再帰用法と強調用法があります。
ここで説明をしているのは強調用法についてです。
再帰用法については次を参照してください。
再帰代名詞(再帰用法)(英文法の解説)
再帰代名詞の強調用法で、再帰代名詞を置く位置については次を参照してください。
再帰代名詞の強調用法について
|