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格(case)とは、名詞の形態変化のことをいいます。
この格には3つの種類があり、文中では他の語句との関係において名詞の語形が変わります。
3つの種類には主格、所有格(または属格)、目的格があります。
主 格 John
所有格 John's
目的格 John
簡単に説明を加えると、主語になっている名詞は主格に相当します。それから目的語になっている名詞は目的格に相当します。
そして「~の」という意味を表し、名詞の語尾が「's」になっている名詞は所有格に相当します。
ここで注意することは、文の主語は主格になりますが、主格は必ずしも文の主語というわけではありません。それ以外にも主格になる場合があります。
格は名詞の形態変化のことですが、主格や目的格の形は文の構造、つまり語順によって形が決定されます。
少し詳しく説明をすると次のようになります。
1.主格について
主格は主語、文の補語、呼びかけなどに用いられます。
a. John went to the movies.
(ジョンは映画を見に行きました。)
b. John was elected chairman.
(ジョンは議長に選ばれました。)
c. Good morning, John!
(おはよう、ジョン。)
aのJohnは文の主語として用いられている例です。bのchairmanは主格補語として用いられています。
cのJohnは呼びかけの主格として用いられています。
2.所有格について
所有格は「~の」という意味を表します。
所有格の形は、基本的に名詞の語尾が「's」になります。
主に生物を表す名詞がこの形をとります。この所有格の基本的な作り方は次のようになります。
(1)単数名詞の場合
単数名詞の所有格は名詞の語尾に「's」をつけます。
cat's
dog's
wife's
(2)名詞の語尾が「s」で終わる複数名詞の場合
語尾が「s」で終わる複数名詞は、「'」だけをつけます。
girls'
ladies'
(3)名詞の語尾が「s」で終わらない複数名詞の場合
複数名詞でも、その語尾が「s」で終わらない場合は「's」をつけます。
children's
men's
women's
以上は所有格の基本的な作り方になりますが、主に生物を表す名詞がこの形をとります。
無生物の場合は「of+名詞」の形になることが多いです。次はその例です。
the roof of a car
(車の屋根)
the foot of a mountain
(山のふもと)
3.目的格について
目的格は他動詞の目的語や前置詞の目的語、形容詞の目的語のほか、目的語の補語として用いられます。
a. She can read English.
(彼女は英語が読めます。)
b. There was a picture on the wall.
(壁に絵が掛かっていました。)
c. They elected John chairman.
(彼らはジョンを議長に選びました。)
aのEnglishは他動詞の目的語として用いられ、bのwallは前置詞の目的語として用いられています。
cのchairmanは目的語であるJohnの補語として用いられています。
※名詞または名詞相当語句と、他の名詞または名詞相当語句を、並べて説明を加えることがあります
このとき互いの名詞の関係を同格(Apposition)といいます。
a. Miss Johnson, our English teacher, is hard to please.
(私たちの英語の教師のジョンソン先生は喜ばせにくいです。)
aの場合はMiss Johnsonとour English teacherの2つの名詞が同格の関係にあります。
※所有格は属格とも言われています。属格は昔からの呼び名です。
古い英語では、目的格は対格と与格の2つに区別されていました。つまり古期英語の格は3つではなく、呼び方も異なっています。
現代英語では、格は主格、所有格、目的格の3つが普通となっています。
※生物を表す名詞の所有格の意味と用法については次を参照してください。
所有格の意味と用法(英語学習の豆知識)
無生物を表す名詞と所有格については次を参照してください。
所有格と無生物を表す名詞について
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