5.2.2. 動作継続Ⅱ(話し手のいらだち)
次は現在形の例である。
(6) My husband complains about the food.
(私の夫は食べ物のことで文句を言う。)
上は日常の夫の習慣を表していることになるが、これに進行形を用いると現在においての動作を表すことになる。
(7) My husband is complaining about the food.
(私の夫は食べ物のことで文句を言っています。)
上は現在進行形であるが、これを図にすると次のようになる。
(8)
上の赤い軸は現在を中心に広がっているが、夫が文句を言う動作の継続を表している。ここでこの例にalwaysを加えると次のようになる。
(9) My husband is always complaining about the food.
(私の夫はいつも食べ物のことで文句ばっかり言っている。)
alwaysを加えることで、どのような意味が含まれるようになったのかを感じることができるだろうか。
上の例と前の例との違いはalwaysがあるかないかの違いだが、このalwaysは文句を言う動作を強調していることになる。
なぜなら、alwaysは話し手の心境から文脈に加えられていることになるが、動作に着目した現在進行形に加えるということは、その着目した動作にさらに重点を置くことを意味するからである。そしてその結果、話し手の相手に対する「いらだち」を表すことになる。
次の例も見てみることにする。
(10) He is always saying bad things about others.
(彼はいつも他人の悪口ばかり言っています。)
上も同様に話し手のいらだちを表していることがわかる。
ここで上の例をHe is saying bad things about others. というようにalwaysを続けないのなら、「彼は他人の悪口を言っています。」のように、単にその時点の動作を表すことになる。
しかし、上の例はalwaysのような頻度の高い副詞を加えることでその動作を強調し、感情をより表しているのである。
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