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英語の時間的感覚Ⅱ

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未来完了形の主な用法-英語の時間的感覚Ⅱ

 

4.5.2.未来完了形の主な用法

 未来完了形の主な用法とは、現在完了形の用法について、それをそのまま未来のこととして捉える用法である。このことは未来から過去のことを眺めることになる。

(39)
a. I will have finished the work by the time my boss comes back.
 (上司が帰る頃までには、私は仕事を終えているでしょう。)
b. They will have been the champions four times if they win the final game.
 (彼らは決勝戦で勝つと4回チャンピオンになったことになります。)
c. We will have been living here for fifteen years next November.
 (私たちは11月でここに15年間住んでいることになります。)

 上の3例は現在完了形の用法で考えた場合、(39a)は完了・結果、(39b)は経験、(39c)は継続の用法に相当する。
 ここで(39a)を前節の未来完了形の時間表示にあてはめた場合、心の位置(M)に相当するのはby the time my boss comes backである。この心の位置(M)までに完了または結果として生じる出来事が「仕事を終える」ことであり、これが出来事時(E)に相当する。

 このように発話時(S)から位置づけられた心の位置(M)は未来時に置かれるが、そこから出来事時(E)の位置も関係づけられることになる。
 出来事時(E)は心の位置(M)よりも前の時間帯に置かれることになるが、これは心の位置(M)から出来事を眺めるような感覚で、「未来から眺める過去の出来事」ということができる。

(40)
英語の未来表現(未来から眺める過去の出来事)の時間表示について 英語の未来表現(未来から眺める過去の出来事)の時間表示について

 上の時間表示は「未来から眺める過去」を表しているが、この「過去」とは発話時(S)からみると当然「未来」である。

 (39b)の例を上にあてはめた場合、心の位置(M)にはif they win the final gameが相当するが(*26) 、話し手は焦点を置いたこの心の位置(M)から未来の出来事として「4回チャンピオンになる」ことを描くことになる。

*26  未来の基準として、ここでは副詞節が心の位置(M)に相当することになるが、このことについては3.3.2. の註釈も参照。


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