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もう1つ例を見ていきます。
I have eaten breakfast this morning. は、「今朝、私は朝食を食べました。」という意味ですが、話し手はいつこれを話したのでしょうか。
「this morning」は「今朝」と訳しましたが、時間的に英語では「午前中」を意味します。
そこで、午前中という漠然とした範囲内で話されたということになります。
もしも午後や夕方に話したとするのならば、次のように過去形にすることになります。
I ate breakfast this morning.
このことを図にすると次のようになります。
正午よりも左側は、「this morning」の範囲です。話した時点と朝食を食べ終えた時点は、必ずしも一致しません。
しかし「this morning」の範囲内で朝食を食べているので、現在完了形を使って表します。
もしも「this morning」ではなくて、「today」を使った場合は、その日一日のことを現在完了形で表すことができます。
Have you seen the teacher today?(今日は先生に会いましたか。)
Yes, I have.(はい、会いましたよ。)
※①I have learned English. と②I learned English. では、どちらも「私は英語を習いました。」という日本語訳になります。
しかし、①では話し手が英語を使うことが今できると考えられます。
なぜなら、身に付けたことが現在でも続いているからです。
それに対して②では、話し手は英語を使えるかもしれませんが、すでに忘れてしまっているかもしれません。
それは習得したことを、単なる過去の事実として捉えているからです。
ところで、①と②では英語において現在完了形と過去形というように、見ただけで区別ができます。
しかし、日本語においては両方とも同じように訳されるので区別がしづらいです。
これは現在完了形を表すのに、英語には「have+過去分詞」という形式があるのに対して、日本語にはそのような明確な形式が無いからです。
※現在完了形の3用法は次で解説をしています。
完了・結果(その1)
完了・結果(その2)
完了・結果(その3)
経験(その1)
経験(その2)
継続(その1)
継続(その2)
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